東北大学植物園でクラウドファンディング 標本管理の資金に

仙台市にある東北大学の植物園では光熱費の高騰を受けて学術的に価値のある植物標本を管理する資金が危機的状況にあるとして、資金を募るためのクラウドファンディングを始めました。

クラウドファンディングを始めたのは仙台市青葉区にある東北大学植物園です。

この植物園はNHKの連続テレビ小説「らんまん」の主人公のモデルとなった植物学者・牧野富太郎が採取した植物など70万点ほどの貴重な植物標本を管理しています。

敷地のおよそ3分の2が国の天然記念物に指定されている全国的にも珍しい施設で、これまでは大学関係者の寄付金をもとに年間100万円ほどで標本の保管庫を管理してきました。

しかし、光熱費の高騰などを受けて資金が枯渇し危機的状況になっているとして今月11日から資金を募るためのクラウドファンディングを始めました。

15日朝までにおよそ630万円が集まり、植物園は集まった資金を標本がカビなどで劣化しないための除湿機の購入費や10万点を超える未整理の標本を台紙に貼る作業のための費用などに充てたいとしています。

先月には国立科学博物館も財政がひっ迫しクラウドファンディングを行うなど各地の施設で同様に資金難の問題が明らかになっています。

東北大学植物園の牧雅之園長は「先人たちが苦労して集めてきたものを後世に引き渡すことが非常に重要だと考えていて、引き続き寄付をお願いしたい」と話していました。