政府 副大臣と政務官の人事を決定 女性の起用はなし

第2次岸田第2次改造内閣の発足に伴って、政府は15日の閣議で、副大臣26人と政務官28人の、あわせて54人の人事を決定しました。女性の起用はなく、過去最多に並ぶ5人が入閣した閣僚人事とは対照的な形となりました。

副大臣

副大臣に決まったのは、自民党から23人、公明党から3人の、あわせて26人です。

▼デジタル副大臣に、石川昭政氏。石川氏は内閣府副大臣を兼務します。

▼復興副大臣に、高木宏壽氏、公明党の参議院議員の平木大作氏。

▼内閣府副大臣に、井林辰憲氏、工藤彰三氏、堀井学氏。

▼総務副大臣に、渡辺孝一氏、参議院議員の馬場成志氏。

▼法務副大臣に、柿沢未途氏。

▼外務副大臣に、辻清人氏、参議院議員の堀井巌氏。

▼財務副大臣に、神田憲次氏、公明党の参議院議員の矢倉克夫氏。

▼文部科学副大臣に、青山周平氏、今枝宗一郎氏。

▼厚生労働副大臣に、公明党の浜地雅一氏、宮崎政久氏。

▼農林水産副大臣に、鈴木憲和氏、武村展英氏。

▼経済産業副大臣に、岩田和親氏、参議院議員の酒井庸行氏。岩田氏と酒井氏は、内閣府副大臣を兼務します。

▼国土交通副大臣に、國場幸之助氏、参議院議員の堂故茂氏。堂故氏は内閣府副大臣と復興副大臣を兼務します。

▼環境副大臣に、八木哲也氏、参議院議員の滝沢求氏。滝沢氏は内閣府副大臣を兼務します。

▼防衛副大臣に、宮沢博行氏。宮沢氏は内閣府副大臣を兼務します。

政務官

政務官に決まったのは、自民党から25人、公明党から3人の、あわせて28人です。

▼デジタル政務官に、土田慎氏。土田氏は内閣府政務官を兼務します。

▼内閣府政務官に、神田潤一氏、参議院議員の古賀友一郎氏、平沼正二郎氏。平沼氏は復興政務官を兼務します。

▼総務政務官に、小森卓郎氏、長谷川淳二氏、参議院議員の船橋利実氏。

▼法務政務官に、中野英幸氏。

▼外務政務官に、高村正大氏、深澤陽一氏、穂坂泰氏。

▼財務政務官に、瀬戸隆一氏、参議院議員の佐藤啓氏。

▼文部科学政務官に、公明党の参議院議員の安江伸夫氏、参議院議員の山田太郎氏。山田氏は復興政務官を兼務します。

▼厚生労働政務官に、塩崎彰久氏、参議院議員の三浦靖氏。

▼農林水産政務官に、公明党の参議院議員の高橋光男氏、参議院議員の舞立昇治氏。

▼経済産業政務官に、石井拓氏、公明党の吉田宣弘氏。石井氏は内閣府政務官を、吉田氏は内閣府政務官と復興政務官を兼務します。

▼国土交通政務官に、石橋林太郎氏、参議院議員の小鑓隆史氏、加藤竜祥氏。加藤氏は内閣府政務官と復興政務官を兼務します。

▼環境政務官に、参議院議員の朝日健太郎氏、国定勇人氏。国定氏は内閣府政務官を兼務します。

▼防衛政務官に、松本尚氏、参議院議員の三宅伸吾氏。三宅氏は内閣府政務官を兼務します。

副大臣と政務官あわせて54人のうち、女性は、前回、去年8月の内閣改造に伴う人事では11人が起用されましたが、今回は起用はなく、過去最多に並ぶ5人が入閣した閣僚人事とは対照的な形となりました。

岸田首相「チームとして人選行った」

第2次岸田第2次改造内閣の発足に伴って26人の新しい副大臣が決まり、15日夕方、初めての副大臣会議が総理大臣官邸で開かれました。

この中で、岸田総理大臣は「私たちは何十年に一度という難しい課題が次々と複合的に生じる、歴史の転換点を迎えている。新しい時代にふさわしい経済、社会、外交を作り上げていくための政策を、この改造内閣でさらに力強く推進していく」と述べました。

その上で、物価上昇への機動的な対応や少子化対策、それにデジタル社会への変革や、福島第一原発の処理水放出の風評対策などを重点課題に挙げ、政策実現に全力を尽くすよう指示しました。

また岸田総理大臣は「国民との丁寧な対話を行い、信頼と共感を得られる政治を実現するという政権の基本姿勢を堅持し、新しい時代を切り開いていく決意だ。持てる力を存分に発揮し、強い覚悟をもって職務にあたってほしい」と呼びかけました。

岸田総理大臣は、総理大臣官邸を出る際、記者団に対し「閣僚、副大臣、政務官、総理大臣補佐官については適材適所で、老壮青、さらには男女のバランスとなった。どの閣僚にどういった副大臣をつけるのが適切なのか、チームとして人選を行った」と述べました。

また、旧統一教会と過去に接点があった議員を副大臣などに起用したことについて問われ「従来申し上げているように、過去に関係があったということにかかわらず、現在、関係を一切持っていないことを前提として、人選を行った。旧統一教会の問題は、しっかりと結論を出すべく最終の努力を進め、宗教法人審議会の意見を聞きながら、法に基づいて最終的に判断を行っていきたい」と述べました。

松野官房長官「多様性にも配慮し適材適所の人事」

松野官房長官は閣議のあとの記者会見で「人事は本人の人格、識見を踏まえ、適材適所の考え方で行っており、今回の内閣改造にあたっても、閣僚、副大臣、政務官、総理大臣補佐官など全体で多様性にも配慮し、適材適所の人事を行った」と述べました。

その上で「女性活躍は岸田内閣の重要な課題であり、『第5次男女共同参画基本計画』や『女性版骨太の方針2023』などに基づき、すべての人が個性と能力を発揮できる社会の実現に全力で取り組んでいく。政治分野における男女共同参画推進のための取り組みも進めていく」と述べました。

鈴木財務相「次の機会は女性の活躍が望ましい」

鈴木財務大臣は閣議のあとの記者会見で、副大臣・政務官に女性が1人も起用されていないことについて、「政府として他の省庁も含めて適材適所でやった結果、女性がいなかったということになってしまったのだと思う。先ほど閣議決定してしまったわけだが、次の機会には女性に活躍していただくことが望ましい」と述べました。

武見厚労相「閣僚人事の中で示している点 理解を」

武見厚生労働大臣は閣議のあとの記者会見で「指摘は確かに重要だ。さまざまな考慮の結果として人事が行われていると思うので、私から何も申し上げられないが、この内閣が女性の活躍を大変重視していて、閣僚人事の中できちんと示しているという点を理解していただきたいと思う」と述べました。

木原防衛相「適材適所が基本」

木原防衛大臣は閣議のあとの記者会見で「閣僚をはじめ、副大臣・政務官というのは、適材適所が基本だと思うので、結果としてそういう状況になっているということで、5人の女性閣僚がいるというのは、非常に顕著な人事だったという感想を持っている」と述べました。

新藤経済再生相「結果としてそうなったということも言える」

新藤経済再生担当大臣は閣議のあとの記者会見で「女性の活躍をどんどん広げていこうということはみんなで考えている。一方で、人事は適材適所で、その時に最適な方が入る」と述べました。

その上で、「前回の改造では副大臣と政務官にあわせて11人の女性がいたが」と問われたのに対し、「前回はそれだけ女性が入ったとなると、その方たちは続けられない。副大臣や政務官は基本、1回、1回、新しい人にチャンス与えるということになるので、『結果としてそうなった』ということも言えると思う」と述べました。

自見地方創生相「それぞれの特性発揮できるチームワークで」

自見地方創生担当大臣は閣議のあとの記者会見で「男女にかかわらず、それぞれの特性を発揮できるチームワークで仕事をしたいと思っているので、特段、女性、男性ということについてコメントはない。多様性は性別のみで語られるものではなく、それぞれ個々人のさまざまな特性が発揮されるということが多様性だ」と述べました。

立民 泉代表「女性ゼロ 驚いた 時代に反する人事」

立憲民主党の泉代表は記者団に対し「女性がゼロとは信じられず、驚いた。時代に反する人事で、若手や中堅が担う副大臣や政務官で女性がいないというのは、自民党の人材のなさであり、ゆゆしき事態だ」と述べました。

維新 藤田幹事長「自民党でも女性議員育っていないのが現状」

日本維新の会の藤田幹事長は記者会見で「派閥のバランスや期数など、組織内の事情を踏まえて人事をする中で、有望な女性がなかなか上がってこなかったのだろう。本質的に考えなければいけないことは、女性の候補者を発掘し、選挙で勝ち上がってもらい、しっかりと育てていくことを地道に積み重ねることだ。他党をやゆするほど、われわれができていないが、あれだけ多数の人材を抱える自民党でも女性議員が育っていないのが現状だろう」と述べました。

公明 石井幹事長「わが党も多くの女性議員生まれるよう努力」

公明党の石井幹事長は記者会見で「女性を登用することは非常に重要だが、そのためには女性の国会議員を多くしなければならない。わが党としてもなるべく多くの女性議員が生まれるよう努力したい」と述べました。

国民 榛葉幹事長「女性が何人という数で評価するつもりない」

国民民主党の榛葉幹事長は記者会見で「大臣や副大臣、政務官に女性が何人という数で評価するつもりはない。女性の人数をうんぬんと言っているのは日本だけで、そういう時代ではない」と述べました。

その上で「性別に関係なく優秀な人材をどんどん登用するためにも、女性の国会議員が少なすぎる。みんなにチャンスを与えて、政治の舞台で活躍できる環境づくりをしなければならない」と述べました。