韓国 現職大統領で初 仁川上陸作戦式典に出席 北朝鮮をけん制

1950年代の朝鮮戦争で北朝鮮の侵攻を止める大きなきっかけとなったインチョン(仁川)上陸作戦を記念する式典が行われ、ユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領は「強力な国防力をもとに力による平和を構築し、民主主義を断固として守っていく」と述べて、ロシアとの軍事協力を模索する北朝鮮をけん制しました。

1950年、北朝鮮が韓国に武力侵攻して始まった朝鮮戦争では、北朝鮮がソウルを制圧して南下を続けていたところにアメリカ軍を中心とする国連軍が韓国西部のインチョンに上陸して北朝鮮軍の補給路を断ち、戦況を一変させました。

この上陸作戦が行われた日にあたる15日、インチョン港周辺の海域で記念の式典が行われ、ホバークラフトや攻撃用ヘリコプター、海兵隊員を乗せたゴムボートなどが出動して作戦の様子を再現しました。

現場ではユン・ソンニョル大統領が演説を行い「強力な国防力をもとに力による平和を構築し、民主主義を断固として守っていく。アメリカや日本との安全保障協力をより強め、北の脅威に対して圧倒的な対応能力を確保していく」と述べました。

この式典に現職の大統領が出席するのは初めてで、北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)総書記がロシア極東を訪れてプーチン大統領と会談するなどロシアとの軍事協力を模索する中、韓国としては米韓の同盟関係を中心とした国防体制は強固だと示して北朝鮮をけん制するねらいがあるとみられます。