長崎県で線状降水帯発生 土砂災害など厳重警戒

前線と湿った空気の影響で九州北部を中心に大気の状態が非常に不安定になり長崎県では発達した積乱雲が次々と連なる「線状降水帯」が発生して猛烈な雨が降りました。引き続き土砂災害や低い土地の浸水、川の氾濫に厳重に警戒してください。

気象庁によりますと前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込んでいる影響で、九州北部を中心に大気の状態が非常に不安定になり、雨雲が発達しています。

長崎県の▽松浦市では午前10時20分までの1時間に83.5ミリ、▽平戸市では午前9時40分までの1時間に84.5ミリの猛烈な雨が降りました。

長崎県では「線状降水帯」が発生し、非常に激しい雨が同じ場所に降り続いているとして気象庁は午前9時すぎに「顕著な大雨に関する情報」を発表しました。

これまでに降った雨で長崎県と佐賀県、それに福岡県では土砂災害の危険性が非常に高まり土砂災害警戒情報が発表されている地域があります。

九州北部では14日も大雨となり、長崎県では13日の降り始めからの雨量が480ミリを超え、平年の9月1か月分の2倍を超えているところがあります。

大気の不安定な状態はこのあとも続く見込みで、九州北部では夕方にかけて局地的に雷を伴って1時間に50ミリ以上の非常に激しい雨が降るおそれがあります。

また、関東甲信でもこれから15日夜遅くにかけて雷を伴った激しい雨や非常に激しい雨が降って大雨になるところがある見込みです。

16日昼までの24時間に降る雨の量はいずれも多いところで▽九州北部で120ミリ、▽関東甲信で100ミリと予想されています。

気象庁は九州北部では土砂災害や低い土地の浸水川の氾濫に厳重に警戒するとともに、落雷や竜巻などの激しい突風、ひょうに十分注意するよう呼びかけています。

急に冷たい風が吹くなど発達した積乱雲が近づく兆しがある場合は、頑丈な建物の中に移動するなど安全を確保してください。

長崎 被害情報(午後1時現在)

長崎県や警察などによりますと、午後1時現在、けが人の情報は入っていないということです。

一方で、県北部では土砂が崩れたり、道路が冠水したりするなどの被害が出ているということです。

このうち、平戸市中野大久保町では大雨の影響で道路が冠水し午前11時ごろ、走行中の車が水につかり立往生しました。

車は80代の男性が運転していましたが自力で車から降りて脱出しました。

このほか平戸市内では、市道脇の土砂が崩れて通行止めとなっているところが2か所あるほか、道路が冠水したことによる通行止めが1か所あるということです。

松浦市御厨町では松浦鉄道の線路付近の土砂が崩れました。

この影響で松浦鉄道は一部の区間で運転を見合わせています。

佐世保市江迎町では、住宅1棟で床下浸水の被害があったほか、鹿町町でも住宅が浸水したという情報が寄せられているということで、状況を確認しているということです。

佐々町では、道路の冠水による通行止めが1か所で起きているということです。

各自治体ではこのほかにも被害の情報が寄せられているということで、状況の確認を進めています。