中国 新大使がタリバン暫定政権に信任状を提出 関係強化狙いか

アフガニスタンのイスラム主義勢力タリバンの暫定政権は、中国の新たな大使から習近平指導部からの信任状を受理したと明らかにしました。タリバンの暫定政権は、国際社会から承認されていませんが、中国としては、資源開発などを念頭にタリバンとの関係を強化したいねらいがあるとみられます。

アフガニスタンで実権を握るタリバンの暫定政権の発表によりますと、新たに着任した中国の趙星大使を歓迎する式典が首都カブールで13日、行われました。

この中で、趙大使が習近平指導部からの信任状をアフンド首相代行に手渡したということです。

暫定政権の関係者によりますと、ほかの国は前の政権の時代に任命された大使などが職務にあたっていて、タリバンが復権して以降、新たな大使が信任状を提出するのは、中国が初めてだということです。

これまでタリバンによる政権を承認している国はありません。

中国外務省は「これは通常の交代であり両国の意思疎通と協力を強化することが目的だ」としていますが、今回の大使による信任状の提出が政権の承認にあたるのかどうかは、明らかにしていません。

中国は資源開発などを念頭にアフガニスタンを巨大経済圏構想「一帯一路」に取り込みたい考えで、タリバンによる暫定政権が国際社会から承認されない中でも関係を強化したいねらいがあるとみられます。