国民 矢田氏 首相補佐官起用へ“連立政権入りの布石”の見方も

岸田総理大臣が、国民民主党の元参議院議員を総理大臣補佐官に起用する意向を固めたことについて、与野党の間では、「国民民主党の連立政権入りへの布石ではないか」という見方が広がっていて、今後、波紋を呼ぶことも予想されます。

改造内閣の発足に伴って、岸田総理大臣は、国民民主党の元参議院議員、矢田稚子氏を賃上げや雇用などを担当する総理大臣補佐官に起用する意向を固め、15日の閣議で決定することにしています。

国民民主党の玉木代表は、14日夜、インターネット番組で「矢田氏は、現在、党の顧問も外れ一個人であり、党として、どうこうということはない」と述べました。

ただ、与野党の間では「国民民主党の連立政権入りへの布石ではないか」という見方が広がっています。

また、矢田氏が大手電機メーカーなどの労働組合「電機連合」から支援を受けていたことから、岸田総理大臣としては、今後の選挙で労働組合の協力を得たいということだろうといった指摘も出ています。

一方、立憲民主党など、ほかの野党からは「連合傘下の組合の切り崩しにつながる」と懸念の声があがっていて、連合の芳野会長も14日、国民民主党の連立政権入りは認められないとの考えを重ねて示しました。

自民党内でも公明党との関係への影響を心配する声があり、矢田氏の起用は今後、波紋を呼ぶことも予想されます。

公明 石井幹事長「総理大臣自身が決める人事」

公明党の石井幹事長は記者会見で「総理大臣補佐官は総理大臣自身が決める人事であり、そのまま受け止めている。国民民主党の玉木代表も矢田さんはもう国民民主党の顧問も外れ、純粋な民間人の立場で、政局とは関係ないというような趣旨のことを発言していると聞いているので、そういうことなのではないかと思っている」と述べました。

また、国民民主党が自民・公明両党の連立政権に加わる可能性について問われ「何らかのアプローチがあったことは全くないので、現時点では評価が難しい」と述べました。