総理補佐官に国民 副代表務めた元参院議員 矢田稚子氏起用へ

岸田総理大臣は、国民民主党の副代表を務めた矢田稚子元参議院議員を総理大臣補佐官に起用する意向を固めました。国民民主党との連携を探るねらいもあるとみられます。

岸田総理大臣は、改造内閣の発足に伴い、閣僚以外の人事についても調整を進めています。

そして、国民民主党の元参議院議員の矢田稚子氏を労働分野に精通しているとして、新たに総理大臣補佐官に起用する意向を固め、与党幹部に伝えました。

矢田氏は大阪府出身の57歳。

1984年に当時の松下電器産業、現在のパナソニックに入社し、2016年の参議院選挙に大手電機メーカーなどの労働組合でつくる「電機連合」の組織内候補として当時の民進党から比例代表で立候補して初当選しました。

その後、国民民主党の副代表を務め、去年の参議院選挙で落選したあと党の役職は離れていました。

岸田総理大臣としては、矢田氏の起用を通じ、経済や安全保障など政策面で一致点も多い国民民主党との連携を探るねらいもあるとみられます。

国民民主党の元参議院議員を総理大臣補佐官に起用することについて、与野党の間からは「将来、国民民主党も加わる連立政権を実現するための環境整備ではないか」といった見方も出ています。

国民 玉木代表「基本的に本人の問題」

国民民主党の玉木代表は、14日夜、文藝春秋のインターネット番組に出演し「代表選挙のあとに党役員人事をする際に、矢田氏からパナソニックの一社員に戻るという話があり、党の顧問も外れて一個人になっていた。基本的に本人の問題なので、党としてどうこうということはない」と述べました。

そのうえで「矢田氏の能力を政権としても評価したということではないか。仮に総理大臣補佐官になったとしたら、元の仲間としてこれまでの経験と知識を生かしてぜひ活躍してもらいたい」と述べました。

連合 芳野会長「政府からパナソニックにアプローチと報告」

連合の芳野会長は記者会見で「きのうの夕方、産業別労働組合の電機連合から『政府から矢田氏が所属するパナソニックに何らかのアプローチがあった。確認中だ』という報告があった。きょうになり総理大臣補佐官の起用というようなことが言われているが、まだ確定ではないので、コメントは控えたい」と述べました。