健保組合 昨年度決算見込み 全体では黒字も約4割が赤字に

大企業の従業員らが加入する健康保険組合の昨年度の決算見込みは、新型コロナの感染拡大による受診控えの影響で、全体では黒字となったものの、およそ4割の組合が赤字となりました。

健保連=健康保険組合連合会がまとめた昨年度・令和4年度の決算の見込みによりますと、組合全体の収入は、保険料収入が前の年度よりも2.7%増加したことなどから2231億円増えて、8兆6058億円となりました。

これに対する支出は、保険給付費が前の年度と比べて5.7%増加した一方、新型コロナの感染拡大による受診控えの影響で、組合があらかじめ支払った令和2年度分の高齢者の医療向けの拠出金の一部が返還されたことから支出が抑えられ、前の年度とほぼ同じ規模の8兆4693億円となりました。

この結果、組合全体では1365億円の黒字となりました。

一方、赤字となった組合は加盟するおよそ4割にあたる559ありました。

また、労使双方の負担を合わせた1人当たりの年間の保険料率は平均で9.26%、1人当たりの年間の保険料は平均で51万1696円となり、いずれも過去最高となっています。

健保連は「特殊な要因で一時的に収支は改善したが、高齢者の医療への拠出金の増加で、今年度以降はさらなる財政悪化が見込まれる」としています。