【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(14日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる14日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナ、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

ロシア国防省 “クリミアでウクライナ軍による無人機攻撃”

ロシア国防省は14日、一方的に併合しているウクライナ南部クリミアで、ウクライナ軍による攻撃があり無人機11機を撃墜したほか、黒海では、ロシア軍の艦船を攻撃しようとしたウクライナ軍の無人艇5隻を破壊したと発表しました。

ロシア国防省は、前日の13日もクリミアの軍港都市セバストポリにウクライナ軍が巡航ミサイル10発と無人艇3隻による攻撃を行い、修理中の艦船2隻が被害を受けたとしています。

13日の攻撃についてウクライナ軍関係者はNHKの取材に対し、ロシア軍の揚陸艦と潜水艦のあわせて2隻に損害を与えたとした上で、攻撃にはイギリスが供与し、戦闘機から発射される巡航ミサイル「ストームシャドー」を使用したと明らかにしました。

この揚陸艦と潜水艦について、ウクライナ国防省の情報総局の報道官は13日、地元メディアに対し「甚大な被害が出ていて、修復できない可能性が高い。ウクライナにとって良いニュースだ」と述べました。

一方、ウクライナ軍は14日、ウクライナ各地でロシア軍による無人機攻撃がありこのうち17機を撃墜したと発表していて、ウクライナ、ロシアの双方で無人機による攻撃が激しさを増しています。

プーチン大統領 ルカシェンコ大統領と会談へ

ロシアのプーチン大統領は15日、ベラルーシのルカシェンコ大統領とロシアで首脳会談を行う見通しとなりました。

これはベラルーシ大統領府の報道官が14日発表したものです。両首脳は、地域や国際情勢について意見を交わすとしています。

ロシア軍が侵攻を続けるウクライナをめぐる情勢や、欧米が続けている経済制裁への対応について協議するとみられます。

プーチン大統領は13日、北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)総書記と首脳会談を行ったばかりで、欧米と対立する国々との関係を強化する姿勢を鮮明にしています。

ウクライナの世界遺産 「危機遺産」に登録するか審議へ

ユネスコ=国連教育科学文化機関の世界遺産委員会は、ウクライナの世界遺産について、緊急に保存や修復などが求められる「危機遺産」に登録するかどうか、14日からの会議で審議を行う予定です。

世界遺産委員会は今月10日からサウジアラビアの首都リヤドで開かれていて、14日からの会議では、各地の世界遺産の保全状況の審査などが行われます。

会議ではウクライナの世界遺産のうち
▽首都キーウの「聖ソフィア大聖堂と関連する修道院群、及びキーウ・ペチェルシク大修道院」
▽西部リビウの歴史地区
を、それぞれ緊急に保存や修復などが求められる「危機遺産」に登録するかどうか審議する予定で、軍事侵攻を続けるロシアの攻撃からの保護につながるか、注目されます。

国連事務総長 “危機に対処するため仲介に全力を尽くす”

グテーレス事務総長は13日、ニューヨークの国連本部で記者会見しました。

記者団がウクライナ情勢をめぐり、国連にできることはあるのかと質問すると、グテーレス事務総長は加盟国をまとめるのは難しい情勢にあると認めた上で、「この危機に対処する状況を作り出すための仲介に全力を尽くす」と述べ、国連として今後も仲介などにあたる考えを示しました。

また、ロシアのプーチン大統領と北朝鮮のキム・ジョンウン総書記が会談し、軍事技術協力の拡大などを協議したとみられることについて、「いかなる形でも北朝鮮と協力する国は安保理の制裁決議を尊重しなければならない」と述べ、北朝鮮からの武器の調達を禁止した安保理決議を、すべての国が順守しなければならないと強調しました。