米政府 イランで拘束のアメリカ人解放へ 保有資産一部凍結解除

アメリカ政府は、イランで拘束されているアメリカ人の解放に向け、制裁を科していたイランが保有する資産の一部について凍結を解除することを明らかにしました。

アメリカ国務省のミラー報道官は12日、記者会見で、制裁を科していたイランが韓国で保有する60億ドル、日本円でおよそ8800億円の資産について凍結を解除することを明らかにしました。

今回の措置は、イランで拘束されているアメリカ人5人を解放するためのものだとしていてミラー報道官は「厳しい選択だった。しかし、われわれはアメリカ国民の帰国を最優先に考え、この内容に合意した」と述べました。

食料品や医薬品の購入など人道目的での利用に限っていて、アメリカ財務省が監視を続けるとしています。

また、イランの国営通信は、今回の合意で、アメリカで拘束されているイラン人5人も解放されると伝えています。

アメリカとイランをめぐっては、核合意を立て直すため間接協議が続けられていますが、立場の隔たりが埋まっておらず、交渉は難航しています。

こうした中、今回の合意が協議の進展につながるか記者団に問われたのに対し、ミラー報道官は「別の議論だ」とする一方で、「次に何が起こるかは、最終的にはイラン次第であり、イランが何をするつもりなのかにかかっている。われわれはイランが決して核兵器を保有しないよう引き続き尽力する」と述べ、イランの今後の出方を注視する考えを示しました。