医師の働き方改革と地域医療シンポジウム“医師の偏在解決を”

来年度から始まる医師の働き方改革と、地域医療の両立を考えるオンラインのシンポジウムを救急の医師などで作る学会が開き、長時間勤務を改善するには、地域や診療科ごとの医師の偏りを解決する必要があるなどの意見が出されました。

このシンポジウムは、来年4月から勤務医の時間外労働に上限を設ける「医師の働き方改革」が始まることから、日本救急医学会が12日夜にオンラインで開きました。

この中で、沖縄県の石垣島にある県立八重山病院救急科の竹島茂人部長は、医師が当直勤務のあとに通常の診療をしたり、休日に離島の診療所の支援に派遣されたりしている現状を報告し、「離島では医師の数が絶対的に足りていない。医師の偏在が解決しなければ働き方改革を進められない」と訴えました。

また、群馬県の前橋赤十字病院の中野実院長は、夜間や休日の診療を支える病院の医師や緊急対応が必要な診療科の医師が不足していると指摘し、「外科や産婦人科、救急科などで長時間勤務となる傾向がある。診療科間でも医師の偏在の問題がある」と指摘しました。

シンポジウムでは、救急医を拠点病院に集約化するなどの具体的な対策についても話し合われ、地域医療との両立について議論が行われました。