将棋「王座戦」 藤井聡太七冠が勝利 1勝1敗の五分に

将棋の八大タイトルの1つ「王座戦」五番勝負の第2局が12日、神戸市で行われ、200手を超える熱戦の末、史上初の八冠独占を目指す藤井聡太七冠(21)がタイトルを持つ永瀬拓矢王座(31)に勝利し、1勝1敗の五分に戻しました。

「王座戦」五番勝負は12日、神戸市のホテルで第2局が行われました。

先手は永瀬王座で、第1局と同様に序盤に大駒の「角」を交換する「角換わり」の形となり、後手の藤井七冠が攻撃をしかけると永瀬王座も守りを固めながら攻めの機会をうかがいます。

互いに持ち時間を使い切って1手を60秒未満で指す「1分将棋」に入った終盤、永瀬王座は相手陣地へ攻め込んで「飛車」を獲得しますが、藤井七冠は攻撃をかわすと持ち駒を繰り出して反撃に出ます。

形勢を有利にした藤井七冠は手堅い指し回しで徐々に相手を追い詰め、午後10時2分、永瀬王座が214手までで投了しました。

藤井七冠は熱戦を制して1勝を返し、勝敗を五分に戻しました。

「王座」は藤井七冠が保持していない唯一のタイトルで、今回の五番勝負に勝つと、史上初の八大タイトル独占となります。

一方「王座戦」4連覇中の永瀬王座は、防衛を果たすと、このタイトルでは3人目となる永世称号「名誉王座」の資格を獲得します。

「王座戦」五番勝負は来月にかけて日程が組まれ、次の第3局は、今月27日に名古屋市で行われます。

藤井聡太七冠「気持ちを切り替えて第3局に」

勝利した藤井聡太七冠は、対局後「端を攻められて思っていた以上に厳しく、全体を通して苦しい局面のほうが多かったと感じている。1勝1敗で改めて三番勝負になるので気持ちを切り替えて第3局に臨みたい」と話していました。

永瀬拓矢王座「苦労しているような手順が多く」

敗れた永瀬拓矢王座は「全体的に苦労しているような手順が多く、判断がよく分からなかった。次の対局も精いっぱい頑張りたいと思う」と話していました。