静岡 橋げた落下事故“ボルト破断が原因” 国交省 事故調査委

ことし7月、静岡市の国道のバイパスの工事現場で、建設中の高架道路の橋げたが落下し、8人が死傷した事故で、国土交通省の事故調査委員会は、橋げたをつり下げていた補助具と橋げたをつないでいたボルトが破断したことが原因だったと結論づけました。

ことし7月6日の未明、静岡市清水区尾羽の国道1号線「静清バイパス」の高架道路を建設する工事現場で、道路の土台にあたる長さおよそ63メートル、重さおよそ140トンの橋げたが9メートルほど下に落下し作業員2人が死亡、6人が重軽傷を負いました。

この事故を受けて、国土交通省静岡国道事務所が設置した事故調査委員会はこれまでの会合で、橋げたを橋脚に下ろす作業中に西側の端の部分が所定の位置より外側にずれ、これを直すため橋げたを持ち上げようとした際に落下したとみられるという見解を示し、コンピューター上で再現実験を行うなど分析を進めていました。

12日、3回目の会合のあと委員長を務める名古屋大学大学院の舘石和雄教授が、これまでの調査結果を明らかにしました。

それによりますと、橋げたの西側の端の部分では、鉄製の土台に「セッティングビーム」と呼ばれる補助具を載せこれで橋げたをつり下げた状態で作業が進められていました。

ところが鉄製の土台が不安定な状態になり、補助具が土台から外れたため、補助具と橋げたをつないでいたボルトが破断したのが原因で橋げたが西側から先に落下したと結論づけたということです。

委員会では近く、調査結果の中間的な取りまとめを行い、再発防止策と合わせて公表する方針です。

舘石委員長は「国土交通省をはじめとした工事関係者は、この内容を踏まえて、今回のような悲惨な事故が起きないよう取り組んでほしい」と話していました。