エアバス旅客機 一部エンジンに不具合 回収し点検で運航影響も

アメリカの航空防衛大手、RTXは、傘下のメーカーが製造した航空エンジンに不具合が見つかったとして、回収して大規模な点検を行うと発表しました。このエンジンは、エアバス社の旅客機「A320neo」の一部に搭載されていて、航空各社は運航計画の見直しなどを余儀なくされる可能性があります。

これは、レイセオン・テクノロジーズから社名を変更した「RTX」が、11日に発表したものです。

それによりますと、傘下のエンジンメーカー「プラット・アンド・ホイットニー」が製造した航空エンジンの製造工程で、不具合が見つかったとして、回収して大規模な点検を行うということです。

回収の対象は、およそ600から700の航空エンジンで、エアバス社の旅客機「A320neo」の一部に搭載されているということです。

点検は、3年後の2026年までかかり、年平均で350機が運航停止などの影響を受ける見通しだとしていて、航空各社は運航計画の見直しや、代替機の手配を余儀なくされる可能性があります。

また、RTXは航空会社への補償などで、今後、数年間に最大で35億ドル、日本円にして5100億円余り、営業利益が押し下げられるという見通しを示しました。

日本企業にも影響か

対象となるこのエンジンは、日本の大手メーカーも共同開発や製造などに参画していて、今後、業績への影響が想定されています。

このうちエンジンの修理や点検を手がけるIHIは「売り上げや利益に影響があると想定しているが、具体的な額については現在精査中で、詳細が判明次第公表する」と発表しました。

また、川崎重工業は「当社業績へも影響があると考えている。発表内容を精査し、影響額が判明次第速やかに公表する」と発表したほか、三菱重工業は「業績への影響はある程度想定しているが、具体的には精査中だ」とコメントしています。

全日空 同型のエンジン搭載も「運航に影響ない」

国土交通省によりますと、国内の航空会社では全日空の33機が同じ型のエンジンを搭載しているということです。これについて全日空は「現在のところ、メーカーから飛行することに問題はないという説明を受けており運航に影響はない」としています。