大雨で孤立状態 緊急車両通行に向け作業進む 茨城 日立

記録的な大雨の影響で、道路が通行できなくなり、孤立状態となっている茨城県日立市の山間部の地区に県の防災ヘリコプターで水や食料が届けられました。13日には、緊急車両が通行できるよう、道路の土砂を取り除く作業などが進められているということです。

茨城県によりますと、日立市十王町高原の沢平地区は記録的な大雨で唯一つながる市道の複数箇所で土砂崩れが起きて通行できず8世帯が孤立状態となっています。

12日午前、NHKのヘリコプターが撮影した映像では、地区の住宅に被害を受けた様子は見られず、数人の住民や消防団員の姿が見られました。

地区では断水し飲み水が不足していることから、県と市は12日、防災ヘリコプターで、水300リットルとコメやビスケットなど7日分の食料を運びました。

地区では電気や電話は使える状態だということで、県は、引き続き住民と連絡を取り合って支援していくことにしています。

日立市によりますと、13日には緊急車両が地区まで通行できるよう、道路の土砂を取り除くなどの作業を進めているということです。

午前中はヘリコプターに水を積み込み、市の消防職員など2人が乗って離陸しました。

県によりますと、12日は6往復して水を優先的に運んだあとコメやビスケットなどの食料を運ぶことにしています。

茨城県の菊池龍一防災航空室長は、「被災された住民は少しでも早く物資が到着するのを待っていると思います。安全を第一に物資を運びます」と話していました。

災害ボランティア 深刻な人手不足

記録的な大雨で被害を受けた茨城県北部の被災地では、災害ボランティアの住宅の片づけ作業などが本格化していますが、ボランティアの人手不足が深刻になっています。

このうち、川の氾濫で427棟の住宅が浸水した高萩市では12日、災害ボランティアにおよそ40人が参加しました。

ボランティアの人たちは受け付けを済ませると、活動に必要なシャベルやバケツなどを受け取って被災現場に向かいました。

このあと、被災した下手綱地区の住宅で敷地にたまった泥をかき出したり、水につかった畳やたんすを軽トラックに載せるなどしていました。

筑西市からボランティアに参加した飯山宣夫さんは「30年前に住んでいて、報道で被災したのを知って駆けつけました。少しでも助けになればと思います」と話していました。

被災した住宅に住む新妻隆雄さんは「ここまで水が来たのは初めてです。高齢で動きが取れないので助かります」と話していました。

市社会福祉協議会によりますと、12日は7か所にボランティアを派遣しているものの、手伝ってほしいという依頼はおよそ60件あり、人手不足が深刻だということです。

このほか、北茨城市ではおよそ60件の依頼に対し12日の担い手は17人、日立市も12日午前までにおよそ60件の依頼があるものの人手が足りず、ボランティアを広く募集する方向だということです。