イタリア首相「一帯一路」離脱方針を中国に伝える 米メディア

イタリアのメローニ首相が9日、訪問先のインドで中国の李強首相と会談し、この中で中国の巨大経済圏構想「一帯一路」から離脱する方針を伝えたとアメリカのメディアが報じました。

これは、アメリカのメディア、ブルームバーグが10日、事情に詳しい関係者の話として報じたものです。

それによりますと、イタリアのメローニ首相は9日、G20サミット=主要20か国首脳会議が開かれていたインドの首都ニューデリーで中国の李強首相と会談し、この中で、中国の巨大経済圏構想「一帯一路」から離脱する方針を非公式に伝えたとしています。

この会談についての中国外務省の発表では「中国は引き続き市場へのアクセスを拡大し、イタリアの高品質な製品が参入する機会をさらに増やしていく」としていて、一帯一路についてのやり取りは含まれていません。

イタリアは、2019年に、G7=主要7か国で唯一、中国と一帯一路に関する覚書を交わしましたが、タヤーニ外相は2日、「一帯一路は期待した成果をもたらさなかった」と述べたと報じられていて、イタリアが構想から離脱する可能性が指摘されていました。

一帯一路をめぐり中国は、来月、北京で国際フォーラムを開催する予定です。

イタリアが離脱を決めれば、中国にとっては痛手で、ブルームバーグは、イタリアが中国による貿易分野での報復措置を懸念していると伝えています。