福島第一原発1号機 “原子炉は支えられ転倒ない”東電が報告

核燃料が溶け落ちるメルトダウンを起こした福島第一原子力発電所の1号機で原子炉を支える土台が大きく壊れている問題で、東京電力は、最大規模の地震を想定しても原子炉は支えられ、転倒することもないとする評価を原子力規制庁に報告しました。

福島第一原発1号機では、ことし3月に行った調査で、「ペデスタル」と呼ばれる原子炉を支える鉄筋コンクリート製の円筒形の土台がほぼ全周にわたって壊れ、鉄筋がむき出しになっている状況が確認されています。

これについて、原子力規制委員会は、土台が原子炉を支えられなくなる場合のリスクなどを報告するよう求めていて、11日に開かれた会合で、東京電力が、福島第一原発で想定する最大規模の地震の揺れ、900ガルを仮定した場合の評価結果を説明しました。

この中で、東京電力は壊れた土台に埋め込まれている鋼製の板が事故による劣化を考慮しても原子炉の重さなどを支える強度があるほか、原子炉の上の部分を囲うように設置されている構造物が横方向の揺れを支える役割を果たせるなどとして、東京電力は、「十分な強度で支持が可能で、原子炉が転倒することもない」と報告しました。

報告を受けた原子力規制庁は、原子炉の周りはまだ詳しい状況がわからず仮定のデータに基づく部分が多いと指摘し、11日の時点では根拠の説明が足りないとしてさらに詳しいデータの提出などを求めて議論を続けることにしています。