フリーランスの就業環境の整備に向けた議論開始 厚労省

フリーランスで働く人を保護する法律が来年秋までに施行されるのを前に、厚生労働省は、育児や介護との両立やハラスメントへの対応などフリーランスの就業環境の整備に向けた議論を始めました。

企業などに所属せず業務委託で働くフリーランスは弱い立場になりやすく、報酬の不払いやハラスメントなどの相談が相次いでいることを受けて、ことし5月に就業環境の整備などを図る法律が公布されました。

この法律が来年秋までに施行されるのを前に具体的な施策を検討する有識者の議論が11日から始まりました。

会議ではフリーランスの団体の代表が調査に回答のあった当事者1200人余りのうち、「パワハラ」を経験した人は6割、「セクハラ」を経験した人は4割に上っていることなどが報告されました。

また、フリーランスの相談に応じてきた弁護士は「病気で仕事ができなくなった際に発注者から『損害賠償を請求する』などと脅されたとか、妊娠や出産を機に仕事のメンバーから外されたといった相談が相次いでいる」と指摘しました。

厚生労働省は今後、関係団体へのヒアリングや労使からの意見などを踏まえて来年、年明け以降に報告書をまとめ、政令や省令などを通じて具体的な施策を進めていくことにしています。