国際

“英議会に中国のスパイか” 英首相 G20で中国首相に懸念

イギリス議会の事務職の男らが中国のスパイとして活動した疑いで逮捕されていたことが分かり、スナク首相はG20サミットで中国の李強首相に対し非常に強い懸念を伝えました。

イギリスの新聞「サンデー・タイムズ」は10日、イギリス国籍の男2人が中国のスパイとして活動していた疑いでことし3月、ロンドン警視庁のテロ対策部門に逮捕されたと報じました。

このうち1人は、イギリス議会で外交政策に携わる議員のために情報収集などをする事務員で、捜査当局は男がかつて住んでいた中国で工作員として採用され、中国に批判的な議員などに影響を及ぼそうとしていた可能性があるとみているということです。

これについてイギリスのスナク首相は、G20サミット=主要20か国の首脳会議で行った中国の李強首相との会談で、非常に強い懸念を伝えたことを明らかにしました。

スナク首相は「われわれの議会制民主主義へのいかなる介入も容認できない」としたうえで、自国の価値観や利益を守るため中国への関与を続けていくとしました。

中国外務省によりますと、これに対し李首相は「双方は意見に違いがある問題を適切に処理すべきだ」と述べたということです。

両国は8月、5年ぶりの外相会談を行うなど関係改善を模索していますが、イギリス国内では中国への警戒感も根強く、先行きは不透明です。

中国外務省「全くのでっち上げで断固反対する」

イギリス議会の事務職の男らが中国のスパイとして活動した疑いで、ロンドン警視庁に逮捕されたことについて、中国外務省の毛寧報道官は11日の記者会見で「全くのでっち上げで断固反対する」と述べ、強く反発しました。

そのうえで「イギリス側がうその情報をまき散らし、反中国の政治的な工作や悪意ある中傷をするのをやめるよう求める」と述べ、イギリス側をけん制しました。

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