野球 18歳以下のW杯 日本が初優勝 台湾に逆転勝ち

台湾で行われている野球の18歳以下のワールドカップは10日に決勝が行われ、日本は台湾に2対1で逆転勝ちし、初優勝を果たしました。

この大会10回目の出場で、まだ優勝のない日本は2大会ぶりの優勝を狙う地元の台湾と対戦しました。

日本はこの大会、ここまで2試合に登板し9回3分の2イニングを無失点に抑えているプロ注目の好投手、大阪桐蔭高校の前田悠伍投手が先発し、1回、1アウト三塁からタイムリーヒットを打たれ、1点を先制されました。

打線は1点を追う4回、1アウト二塁から5番に入った神奈川の慶応高校の丸田湊斗選手のセーフティーバントで一塁三塁とチャンスを広げました。

ここで福島の聖光学院の高中一樹選手がスクイズを決め、相手の悪送球もからんでファーストランナーもかえり2点を奪って逆転しました。

前田投手は2回以降立ち直り、鋭く曲がる変化球と150キロに迫るストレートを織り交ぜて得点を許さず、7回を投げヒット4本1失点に抑えて完投し日本は2対1で勝って初優勝を果たしました。

馬淵監督「感無量です」

日本代表の監督を務めた馬淵史郎監督は初優勝については「感無量です。なんとか自分たちの代で金メダルとろうじゃないかと言ってきてとれてよかった。最高の仲間でした」と話しました。

決勝ではバントをからめたつなぐ野球で逆転したことについて「『スモールベースボール』をやると掲げていたがやり通してよかった。色々なやり方があるだろうが私が監督ならこのやり方しかできないのでいい結果がでてよかった」と話しました。

前田投手「世界一にふさわしいチーム」

完投した大阪桐蔭高校の前田悠伍投手は「悲願の世界一を全員でとろうということで勝てて素直にうれしいです。とにかく打たれてもチームを優勝に導くということだけを意識してやりました。このチームは最高のチームで世界一にふさわしいチームです」と力強く話しました。

過去には大谷 佐々木朗希らが出場も優勝はなし

野球の18歳以下のワールドカップでは日本はこれまで準優勝が最高で、今回、悲願の初優勝を果たしました。

今大会にはプロ注目の好投手、大阪桐蔭高校の前田悠伍投手や夏の全国高校野球で優勝した神奈川の慶応高校の丸田湊斗選手、準優勝の宮城の仙台育英高校のエース、高橋煌稀投手をはじめ甲子園を沸かせたメンバーなど20人が選ばれました。

野球の18歳以下のワールドカップは前身の大会を含め今回で31回目をむかえますが日本代表は、過去9回出場したこの大会で優勝経験がなく、準優勝が4回、3位が2回などとなっていました。

最近では初めて日本で開催された2015年に当時早稲田実業の1年生だった清宮幸太郎選手などが出場し、決勝に進みましたが3連覇を目指すアメリカに敗れて準優勝となりました。

また、2012年には花巻東高校の大谷翔平選手や大阪桐蔭の藤浪晋太郎投手、森友哉選手などが出場しましたが6位、2017年には佐々木朗希投手や奥川恭伸投手を擁して臨みましたが5位に終わりました。

現在、大リーグやプロ野球で活躍する選手たちが高校時代に挑んで跳ね返された「世界の壁」を打ち破り、今回、節目となる10回目の出場で、日本が見事に初優勝を勝ち取りました。