大相撲秋場所 新大関の豊昇龍 阿炎に勝利で白星スタート

大相撲秋場所は初日の10日、新大関の豊昇龍が平幕の阿炎に勝って白星スタートを切りました。

秋場所は横綱 照ノ富士が腰のけがなどで初日から休場し、横綱不在の場所となっています。

初日の10日、新大関の豊昇龍は三役経験者の平幕、阿炎と対戦しました。

豊昇龍は阿炎から体がのけぞるほどの強烈な突き押しを受けたものの、土俵際でうまく相手の腕を取ってひねり「とったり」で勝ちました。

また、角番の大関2人のうち、東の大関、霧島は小結 翔猿との一番で、突き押しで攻めたあと、懐に入り込み「つり出し」で勝ちました。

一方、西の大関、貴景勝は先場所優勝争いに加わった平幕の北勝富士に取り直しの一番で敗れました。

初土俵から所要103場所で三役昇進を果たした新小結の錦木は、今月2日に右のふくらはぎを痛めたものの、影響を感じさせない力強い相撲でベテランの玉鷲を押し出して勝ちました。

3人の関脇陣のうち、新関脇の琴ノ若は正代を「寄り切り」で退けた一方、大栄翔が明生に、若元春が大関経験者の朝乃山にそれぞれ敗れて初日黒星となりました。

中入り後の勝敗

▽返り入幕の輝に大翔鵬は輝が「寄り切り」で勝ちました。

▽剣翔に千代翔馬は千代翔馬が「寄り切り」。

▽返り入幕の熱海富士に琴勝峰は熱海富士が「寄り切り」で勝ちました。

▽妙義龍に碧山は妙義龍が「寄り切り」。

▽錦富士に佐田の海は佐田の海が「送り出し」。

▽宝富士に北青鵬は宝富士が「寄り切り」で勝ちました。

▽御嶽海に遠藤は御嶽海が「押し出し」。

▽翠富士に金峰山は金峰山が「押し出し」。

▽琴恵光に平戸海は琴恵光が「すくい投げ」で勝ちました。

▽高安に王鵬は高安が「押し出し」。

▽阿武咲に竜電は阿武咲が「押し出し」。

▽豪ノ山に湘南乃海は豪ノ山が「押し出し」。

▽隆の勝に宇良は隆の勝が「送り出し」。

▽新小結の錦木に玉鷲は錦木が「押し出し」で勝ちました。

▽新関脇の琴ノ若に正代は琴ノ若が「寄り切り」で勝ちました。

▽朝乃山に若元春は朝乃山が「寄り切り」。

▽大栄翔に明生は明生が「はたき込み」。

▽阿炎に新大関の豊昇龍は豊昇龍が「とったり」で勝って初日白星ですべりだしました。

▽北勝富士に大関 貴景勝は取り直しとなり、北勝富士が「はたき込み」で勝ちました。

角番の大関 貴景勝は初日黒星です。

▽大関 霧島に翔猿は霧島が「つり出し」で勝ちました。

力士の談話

新大関の豊昇龍は白星スタートとなり「相手は、はたきもあるのでしっかり見ながら相撲を取ろうと思った。新大関の初日で正直ちょっと緊張した。もう大丈夫だと思う」と振り返りました。

10日は師匠の立浪親方が55歳の誕生日を迎え、「親方に勝って白星をプレゼントしたかった。帰ったらいい報告ができる」と笑顔でした。

同じく初日で白星を挙げた大関 霧島は「初日なので体がかたかった。ちょっと緊張はあった。土俵に上がると緊張はなくなって自分の相撲を取るしかないと思った」と振り返りました。

角番で迎えた秋場所に臨む心境については「いつもどおりだ。意識せずに自分の相撲を取っていくだけ」と話していました。

一方、3人の大関で唯一敗れた貴景勝は「白星か黒星の世界、負けたら黒星、それだけだ。土俵の感覚は悪くなかったが、負けは負けだ」と振り返りました。

そのうえで「負けた原因が何かあるので、あす一生懸命頑張るしかない」と話していました。

新関脇の琴ノ若は、大関経験者の正代に勝ち「慌てずにしっかり前に出る相撲が取れた」と振り返ったうえで「番付はここで終わりではない。一つ一つ上を目指してやっていきたい」と意気込みを話しました。

関脇 大栄翔は、平幕の明生にはたき込みで敗れて黒星スタートとなり「前に落ちてはだめだ。まだ初日なのでここからしっかり頑張る」と話していました。

関脇 若元春に勝った大関経験者の朝乃山は「うまく入ってもろ差しになれた。踏み込んでいるからこそ相手に圧力がかけられた」と手応えを口にしました。

朝乃山は8月末の巡業で右足の親指を痛めていて「痛いといえば痛いが前に出る分には大丈夫だ。負けてもいいやと思いっきりいける」と話していました。

敗れた若元春は「動いてはいるが、ただ動いているだけで自分らしい相撲は取れていない。自分の相撲をしっかり意識して、相手の相撲を取らせないようにしたい」と反省を口にしました。

このほか36歳の宝富士は、幕内連続出場を歴代単独7位の946回に伸ばし「来年の春場所で1000回ではなかったか。自分の中では一番の目標だ。簡単ではないので」と先を見据えました。