秋本議員逮捕 元社長「お願い通りに国会質問をしてもらった」

洋上風力発電事業をめぐり秋本真利衆議院議員が逮捕された汚職事件で、秋本議員の国会質問のあと、風力発電会社の元社長が会社の幹部に「お願い通りに国会質問をしてもらった」などとメールで伝えていたことが関係者への取材でわかりました。

秋本議員はこの時の国会質問で、会社が参入を目指す青森県沖の洋上風力発電事業について、会社側の希望に沿った形の質問をしていて、東京地検特捜部は詳しい経緯を調べているものとみられます。

自民党を離党した衆議院議員の秋本真利容疑者(48)は、政府が導入拡大を目指している洋上風力発電をめぐって東京の風力発電会社「日本風力開発」の塚脇正幸元社長(64)から会社が有利になるような国会質問をするよう依頼を受け、その見返りにあわせて6000万円余りにのぼる借り入れや資金提供を受けたとして、受託収賄の疑いで東京地検特捜部に逮捕されました。

日本風力開発は、洋上風力発電事業のうち、青森県の陸奥湾などでの事業への参入を目指していて、秋本議員は、2019年2月の衆議院予算委員会の分科会で、青森県沖の海域について防衛関連施設への影響を理由に過度な規制をかけないよう求める質問をしていました。

塚脇元社長は、この質問の直前、会社の複数の幹部に、秋本議員に国会質問を依頼したと伝えるメールを送っていましたが、国会質問のあとにも、「お願い通りに国会質問をしてもらった」などとメールで伝えていたことが関係者への取材でわかりました。

秋本議員は、翌月、中央競馬の馬主登録を申請するため、塚脇元社長から3000万円を借り入れていて、特捜部は、会社側の希望に沿った形の国会質問をした見返りだった疑いがあるとみて、詳しい経緯を調べているものとみられます。

弁護士によりますと、秋本議員は、特捜部の調べに対し、容疑を否認しているということです。

一方、塚脇元社長は調べに対し秋本議員への贈賄を認め、提供した資金について「国会質問の謝礼だった」という趣旨の供述をしているということです。