【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(10日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる10日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナ、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

G20閉幕 ウクライナ情勢など事態打開の難しさ浮き彫りに

インドの首都ニューデリーで9日から開かれていたG20サミットには岸田総理大臣やアメリカのバイデン大統領、中国の李強首相、それに、ロシアのラブロフ外相らが参加し、最後のセッションを終えて閉幕しました。

ウクライナ侵攻をめぐり、欧米とロシアなどの激しい対立が続くなか、首脳宣言がとりまとめられるかが焦点となっていましたが、初日に採択されました。

宣言では「すべての国は領土の獲得のための威嚇や武力の行使を控えなければならない」などと欧米の立場を反映した表現を明記したものの、ロシアを名指しで非難する表現は盛り込まれませんでした。これについて、EU=ヨーロッパ連合の高官は記者団に対し「ロシアがより孤立したと考えている」と述べて評価しましたが、議長国インドが友好関係にあるロシアに配慮して、表現が弱まったとの見方が広がっています。

首脳宣言が出せない事態は避けられましたが、立場が異なる各国の主張を盛り込んだ形で、ウクライナ情勢で深刻化した食料やエネルギー問題などの事態打開の難しさが改めて浮き彫りとなりました。

無人機による攻撃の応酬 激しさ増す

ウクライナ空軍は10日、ロシア軍が首都キーウに向けて33機の無人機による攻撃を仕掛けてきたと発表しました。

無人機はロシア領内から飛来し、26機を迎撃したとしていますが、キーウの市当局によりますと、撃墜された無人機の破片が集合住宅などに落下し1人がけがをしたということです。

一方、ロシア国防省は10日、一方的に併合しているウクライナ南部クリミアの沖合の上空で、ウクライナ軍の無人機8機を撃墜したほか、国境を接するロシア西部ブリャンスク州でも無人機の攻撃を阻止したと発表し、無人機攻撃の応酬が激しさを増しているものとみられます。

イギリス国防省は10日、ロシア北西部で8月末に軍用飛行場が無人機攻撃を受け大型輸送機が損傷したことを受けて、ロシアの地元の州知事が警戒にあたる市民パトロールを組織したと指摘しました。

およそ800人の市民が参加し、50人単位で国境地域や空港などの重要インフラを警備するとした上で「市民ボランティアの起用は、ロシア国内で訓練を受けた治安対策の要員が不足していることを示唆するものだ」と分析しています。

キム総書記とプーチン大統領との会談 これまで発表なし

北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)総書記が近くロシアを4年ぶりに訪問して、プーチン大統領との首脳会談に臨む可能性が取り沙汰されていますが、これまでのところ、北朝鮮側の発表はありません。

キム総書記は、建国から75年となった9日、キム総書記の祖父キム・イルソン(金日成)氏と父キム・ジョンイル(金正日)氏の遺体が安置されている宮殿の前で、祝賀行事の参加者たちと記念写真を撮影し、国営テレビがそのもようを10日放送しました。

映像では、スーツ姿のキム総書記が手を振ったり拍手したりしながら参加者たちに歩み寄り、最前列の中央に立って撮影に応じていて「愛国的な人民こそ、国力の中の国力だ」と発言したと伝えています。

一方、キム総書記が近くロシアを訪問してプーチン大統領との首脳会談に臨む可能性が取り沙汰されていますが、これまでのところ、北朝鮮側の発表はありません。

キム総書記が4年前にロシアを訪問した際は、国営メディアが前日に「近く訪問」と伝えたあと、当日の朝に「専用列車で出発した」と報じていました。

G20 各国の主張それぞれ反映 合意優先の形に

インドの首都ニューデリーで開かれているG20サミットは10日に最終日を迎え、このあと、閉幕します。

最大の焦点となっていた首脳宣言については、9日採択され、ウクライナ侵攻について「すべての国は領土の獲得のための威嚇や武力の行使を控えなければならない」としたほか、「核兵器の使用や威嚇は容認できない」などと明記しました。

一方で、去年、インドネシアでのG20サミットで盛り込まれたロシアを名指しで非難する文言は盛り込まれないなど、各国の異なる主張をそれぞれ反映させ、合意を優先させた形となりました。

これについて、ウクライナ外務省の報道官はSNSへの投稿で「G20は何も誇れるものはない」などと批判しています。

また宣言では、温暖化の影響や債務問題などを抱える途上国などグローバル・サウスの国々への支援が盛り込まれました。

閉幕にあたって、議長国インドのモディ首相は記者会見して2日間の首脳会議の成果をアピールするものとみられます。

ゼレンスキー大統領 電力インフラへの攻撃を警戒

反転攻勢を続けるゼレンスキー大統領は「ロシアは冬の準備、苦しみをもたらす準備をしている」と述べ、ロシア軍が1年前と同じように電力インフラへの攻撃を繰り返す可能性に備えるよう関係機関に指示しました。

ウクライナ軍は東部や南部で反転攻勢を続けていて、イギリス国防省は9日、ウクライナ軍が南部ザポリージャ州の集落ロボティネの東で、ロシアが幾重にも築いた防衛線に部隊を進め、ロシア軍を消耗させているとする分析を示しました。

こうした中、ゼレンスキー大統領は9日、公開した動画で「ロシアは冬の準備、つまり苦しみをもたらす準備をしていることを承知している」と述べたうえで、「冬を乗り切り、すべての機能を維持できるよう関係機関はあらゆる手を尽くし、時には不可能なこともしなければならない」と述べ、政府や地方の関係当局に万全の備えを指示するなど警戒を強めています。

ウクライナでは去年10月以降、全土で電力インフラを標的にしたロシアによる攻撃が、およそ半年間にわたって繰り返され、人々は冬の間、停電や暖房の供給停止など厳しい生活を強いられました。