モロッコでM6.8の地震 1037人が死亡 本格的な救助活動始まる

北アフリカのモロッコで、8日深夜、日本時間の9日朝に強い地震があり、国営メディアは、これまでに1037人が死亡し、1204人がけがをしたと伝えています。
現地では地震の発生から一夜が明け、本格的な救助活動が始まっています。

USGS=アメリカの地質調査所によりますと、8日深夜、日本時間の9日7時すぎ、モロッコ中部のマラケシュから70キロほど離れた内陸部を震源とする、マグニチュード6.8の地震がありました。

モロッコの国営メディアは、内務省の話として、これまでに1037人が死亡し、1204人けがをしたと伝えました。

日本の外務省によりますと、これまでのところ日本人が被害にあったという情報はないということです。

ロイター通信が配信したマラケシュの地震直後とみられる映像では、建物が崩れ、がれきが散乱している様子や、車が押しつぶされた様子が確認できます。

現地では、地震の発生から一夜が明け、本格的な救助活動が始まっていますが、山沿いで救助が難しい地域もあるということです。

AFP通信によりますと、モロッコでは、1960年に、今回の地震の震源からおよそ130キロ離れたアガディール付近を震源とする地震で1万人以上が死亡しています。

地震が発生した当時、現地は午後11時すぎでまだ辺りが暗い中で多くの人が外に出ている様子も映っています。

今後、さらに被害が拡大するおそれもあり現地の当局は確認を急いでいます。

モロッコでホテル経営岩間ひかるさん「揺れは2分くらい」

地震が起きた当時、震源から130キロほど離れた沿岸部の都市アガディールにいたというホテル経営者の岩間ひかるさんはNHKの電話取材に対して「揺れは2分くらい続いていたように思う。海沿いの街にいたが津波があるかどうか分からなかったので念のため車で高台に避難した」と話していました。

また、被害の状況について「現地は深夜で周囲が暗く詳しい被害の様子は分からない。モロッコ人の夫のもとには広い範囲で揺れたという知人からの情報も入っている。震源から離れたところでも家の一部が崩れたという話を聞いた」と話していました。

訪問中の石川県白山市長「経験したことのない激しい揺れ」

モロッコのマラケシュにはユネスコの世界ジオパークの認定証を受け取るため石川県白山市の市長が訪れていて、NHKの取材に対し地震発生時の状況を話しました。

ことし5月、石川県白山市の「白山手取川ジオパーク」がユネスコの世界ジオパークに認定されたことをうけ、白山市の田村敏和市長は認定証を受け取るためモロッコのマラケシュを訪れていました。

NHKの電話取材に対し田村市長は「地震の発生時、ホテルのベッドで横になっていたが、これまで経験したことのない突き上げるような激しい揺れを感じた。揺れは30秒ほど続き、起き上がることが出来なかった」と話していました。

また、「部屋の壁の一部がはがれるなど建物にも被害が出ていた」ということで、田村市長は揺れが収まったあと服を着替えずにホテルの外に避難をしたということです。

田村市長によりますと、ホテルの外には大勢の宿泊客などが集まっていたということです。

田村市長や同行していた市議会議員など合わせて7人にけがなどはなく全員、無事だということです。

岸田首相 「一日も早い復興を」

北アフリカのモロッコで起きた地震を受けて、岸田総理大臣は9日夜、モロッコのアハヌッシュ首相宛てにお見舞いのメッセージを出しました。

この中では「地震により多くの尊い命が失われ、多くの方々が被害に遭われたとの報に接し、大変心を痛めています。犠牲になられた方々に対し、哀悼の意を表するとともに、ご遺族に対し謹んでお悔やみ申し上げます」としています。

その上で「被害に遭われた方々の回復と被災地の一日も早い復興を心からお祈りします。日本は現地のニーズを踏まえて必要とする可能な限りの支援を行う用意があります」としています。