台風13号 大雨【被害】福島 いわきで床上浸水1000棟超

台風13号や台風13号から変わった熱帯低気圧などの影響で、関東や東北では大気の状態が不安定になり局地的に雨雲が発達しています。

これまでに降った雨で、福島県いわき市で1000棟余りの住宅が床上まで水につかるなど、茨城県、千葉県の各地でも浸水や土砂崩れなど被害が相次いでいます。

福島県の被害

床上浸水1000棟超 福島 いわき(12:00時点)

福島県いわき市は、9日正午時点までの調査で8日夜からの大雨で少なくとも1050棟の住宅が床上まで水につかる被害が出たと発表しました。

調査が進むと被害を受けた住宅はさらに増える見込みで、市が確認を進めています。

水が引いた住宅では、9日朝から住民が片づけに追われていました。

いわき市内郷内町の中村繁男さんの住宅では1階の床の上まで水につかりました。

中村さんは「午後10時半ごろに水が上がってきて、避難しようと2階に上がりました。こんなことは初めてです」と話していました。

また、同じ地区の別の住宅では床の上まで泥水が入り込み、水が引いたあと住民が泥をかき出す作業に追われていました。

泥をかき出していた男性は「川が氾濫したら一気に水がきました。片付けがいつ終わるか不安です」と話していました。

男性1人死亡 福島 いわき

福島県の警察や消防によりますと、9日午前6時15分ごろ、いわき市の内郷内町を歩いていた人から「側溝に人が倒れている」という通報がありました。

救急隊が駆けつけたところ、70代から80代とみられる男性が心肺停止の状態で倒れているのが見つかりましたが、警察によりますとその後、死亡が確認されたということです。

警察が詳しい状況を調べています。

土砂崩れで住宅1棟全壊 けが人なし 福島 いわき

福島県いわき市によりますと、市内の内郷高野町で8日夜、土砂崩れが起き住宅1棟が全壊したということです。

住人は全員無事が確認され、けが人はいないということです。

避難の女性がけが 福島 いわき

福島県のいわき市消防本部によりますと、8日午後10時40分すぎ、いわき市好間町の75歳の女性が自宅から避難する際に何かを踏んでかかとに軽いけがをし、病院で手当てを受けたということです。

避難所の中学校体育館が浸水 福島 いわき

福島県いわき市によりますと、8日午後11時ごろ、避難所になっている市内の内郷宮町の内郷第二中学校の体育館が浸水しているという情報が入ったということです。

市によりますと、体育館は浸水していて市では床よりも高い場所にあるステージの上に避難していた4世帯の6人を移動させたということですが、雨が降り続いているため別の避難所に移動させるのは危険だとして、9日午前1時現在も体育館にとどめているということです。

これまでのところけが人の情報はないということです。

いわき市ではこの避難所での受け入れを停止しています。

国宝 白水阿弥陀堂の境内が浸水 福島 いわき

福島県内で唯一、国宝に指定されている建造物で、いわき市内郷白水町にある「白水阿弥陀堂」は、今回の大雨で200メートルほど離れた場所を流れる川があふれて境内が浸水しました。

住職の赤土隆行さんによりますと昨夜10時半ごろには庭園も含めた全体が水に浸かったということで、いまでも一部は入れない状況になっているということです。

車に取り残された2人を救助 福島 南相馬

福島県の相馬地方広域消防本部小高分署によりますと、9日午前1時50分ごろ南相馬市小高区関場で「車が水の中に入ってしまい60代と80代の人が取り残されて脱出できなくなっている」と通報がありました。

消防によりますと、車が走行していて水がたまった場所に入り動けなくなくなったとみられるということです。

消防によりますと、2人は救助され、いずれもけがはなかったということです。

千葉県の被害

浸水被害の小学校 水の排出作業に追われる

千葉県茂原市中の島町にある川沿いの小学校は過去の浸水被害の教訓から事前に備える対応をして大きな被害は出なかったものの、1階部分が20センチほど浸水し、教職員がたまった水を排出する作業に追われていました。

一宮川沿いにある市立中の島小学校は8日の大雨で職員室などがある1階部分が深さ15センチから20センチほど浸水しました。

学校では土曜日の9日昼ごろから教職員が出て機械を使って廊下にたまった水を排出していました。

この学校は過去に何度も浸水被害を受け、校長室には水の痕跡が残る木の板があります。

その痕跡と比べると、今回の浸水は4年前の半分ほどに見えます。

職員室では事前に机の引き出しの資料などをすべて高い位置に上げておいたため、大きな被害は出なかったということです。

中の島小学校の宗嶋寛明教頭は「一宮川があふれる前に正門前の道路が浸水して水が入ってきました。清掃と消毒が終わりしだい、できるだけ早く学校を再開したい」と話していました。

茂原市教育委員会によりますと中の島小学校は11日の月曜日、休校する見通しで、市内のほかの17の小中学校は通常どおり授業を行うということです。

千葉県 床上浸水95棟 被害さらに増える見通し

今回の記録的な大雨で千葉県では9日夕方の時点で4人が軽いけがをし、95棟が床上浸水するなどの被害が出ています。浸水被害はさらに増える見通しです。

千葉県が9日午後4時の時点でまとめた被害状況です。

8日、市原市の90代の女性が裏山が崩れて下半身が土砂に埋まり両足に軽いけがをしました。

また千葉市では10代の住民が腕を打撲するなどあわせて3人が軽いけがをしました。

このほか、大多喜町の警察施設で被害状況を確認していた警察庁の技官が、屋上から転落して死亡していて、県は今回の台風と関連しているものか調べています。

住宅の被害です。

▼一部損壊の住宅が
鴨川市や長柄町、それに睦沢町であわせて12棟、確認されています。

▼床上浸水は
▽茂原市で34棟、
▽長柄町で16棟、
▽鴨川市で10棟など県内14の市町村であわせて95棟、

▼床下浸水が
20の市町村であわせて118棟にのぼっています。

浸水被害はまだ把握が進んでおらずさらに増える見通しです。

また土砂崩れは、鴨川市で住宅の中に土砂が入るなど、県内の37か所で確認されています。

停電は大多喜町や君津市などの、あわせて150戸で続いています。

養老渓谷 旅館が浸水 営業再開メド立たず

紅葉の名所として知られる千葉県の市原市と大多喜町にまたがる「養老渓谷」にある旅館は、大雨であふれた川の水で館内が水につかる被害を受け、復旧作業にあたっています。

「養老渓谷」にある旅館には、8日午前11時ごろから、川からあふれた水が押し寄せて台所や事務所などがある1階が1.5メートルほどまで水につかって、冷蔵庫や宿泊予約を管理しているパソコンが壊れるなどの被害を受けました。

紅葉のシーズンを中心に来年まで宿泊予約が入っていましたが、営業再開のメドが立たないことから、すべてキャンセルにして当面、予約の受け付けも取りやめるということです。

今後、重機を使って敷地に流れ込んだ土砂を取り除き、館内の土砂などを運び出したいとしています。

周辺の旅館も浸水や土砂崩れの被害を受けていて、従業員が水につかったいすや机などを運び出していました。

旅館「喜代元」の主人秋葉保雄さんは、「去年、1階の食事部屋を改装したばかりだったので、ガックリとしています。復旧して経営を続けるのか、それとも断念するのか、悩ましいです」と話していました。

床上浸水9棟 保育園浸水の情報も 千葉 大網白里

大雨で住宅の浸水や道路の冠水が相次いだ千葉県大網白里市では、9日になっても水が引いていない地域が残っています。

大網白里市によりますと、9日午前9時の時点で市内では▽床上浸水9棟、▽床下浸水5棟、▽土砂崩れ4か所の被害が確認されているということです。

JR大網駅から東に3キロあまりの富田地区の住宅地では一夜が明けた9日午前10時の時点でも足首の高さほどまで道路に水がたまっていて、長靴を履いた住民が様子を見て回っていました。

この地域に住む40代の男性は、「4年前の台風のときにも浸水しましたが、今回は水の量が多かったです。きのうは30センチほどの高さまで水が来て、やっと引いてきました」と話していました。

60代の女性は、「家の門の前まで水が来て、雨が降っているときはこの先どうなるかとヒヤヒヤしました。この場所はよく水がたまってしまい、いつもは1、2時間で水が引きますが、今回は長引いています。水が引くのを待つしかないです」と話していました。

市によりますと、市内の保育園も浸水したという情報が寄せられているということで、市が被害の確認を進めています。

乗用車が道路脇に乗り上げ 千葉 茂原

NHKのヘリから撮影した千葉県茂原市内の映像では、一宮川の流域では土砂が道路を覆っている様子が確認できます。

川にかかる橋の上には、川からあふれ出たとみられる土砂や草、ごみなどが大量に積もっている様子がわかります。

交差点では乗用車が1台、道路脇の植え込みに乗り上げていたままになっていたほか、別の道路脇にはたまった土砂の上に乗用車やトラックなどが止まったままになっているところが複数あります。

千葉県の市原市と大多喜町にまたがる養老渓谷では、川の近くにある旅館の周辺に大量の土砂がたまっていて、作業員が重機を使って土砂をかき出す作業に追われています。

茨城県の被害

茨城県 浸水など相次ぐも被害全容不明 確認進める

今回の記録的な大雨で茨城県は、9日午後6時の時点の被害状況をまとめました。

北茨城市では20代とみられる男性1人が亡くなりました。

9日午前、市内の川で心肺停止の状態で見つかり、搬送先の病院で死亡が確認されたということです。

建物の被害は、住宅の床上浸水が25棟で自治体別では、
▽高萩市で17棟
▽水戸市で3棟
▽常陸太田市とひたちなか市でそれぞれ2棟
▽東海村で1棟 となっています。

そのほかの建物や確認中のものも含めると被害はあわせて70棟となっています。

また、床下浸水した住宅は47棟、そのほかの建物や確認中のものもあわせるとあわせて73棟です。

土砂崩れは、これまでに把握しているもので7つの市と町で157か所となっています。

なかでも、北茨城市は、142か所で最も多くなっています。

茨城県は、自治体の被害の調査が進むのはこれからのため、被害の件数は今後、増える見通しとしています。

日立市の被害は

茨城県日立市によりますと、9日午前9時現在、市内を流れる9つの川で堤防から水が越えるなどの被害が確認され、住宅へ被害が少なくとも3件確認されているということですが、全容はわかっておらず、さらに増える見通しだということです。

このほか道路冠水は78件、崖崩れが16件確認されていて、けが人の情報はこれまで入っていません。

また、日立市内では2つの小学校ののり面が一部崩落したほか、日立市と常陸太田市を結ぶ県道で通行止めが発生しているということです。

市は災害廃棄物の搬入場所を市内4か所に開設する準備を進めていて、9日午後2時に開設する予定です。

斜面崩落 取り残された人は確認されず 茨城 日立

茨城県日立市宮田町では斜面崩落が起きて、県は当初、車が巻き込まれた可能性があるとして自衛隊に災害派遣を要請し、土砂を取り除く作業にあたりましたが、9日の作業で取り残された人は確認されなかったということです。

茨城県によりますと9日未明、日立市宮田町で崖崩れが起きて、道路に土砂が流れ込み通行中の車が巻き込まれた可能性があるという連絡がありました。

幅30メートルにわたって土砂が崩れているほか周囲では電柱も倒れていたため、県は自衛隊に災害派遣を要請しました。

ひたちなか市の陸上自衛隊勝田駐屯地から派遣されたおよそ20人が重機を入れて作業にあたり、9日の作業では、取り残された人は確認されなかったということです。

また、崩落した場所には、非鉄金属メーカー大手のJX金属の事業所があり、会社によりますと、斜面沿いの敷地が崩れ止めてあったトラックが転落したものの人は乗っていなかったということです。

県によりますと、自衛隊による作業は、早ければ10日に終わる予定だということです。

新聞配達の男性死亡 用水路に転落し流されたか 茨城 常陸太田

警察によりますと、新聞配達に出かけた35歳の会社員の男性が戻らないため、同僚が付近を探していたところ9日午前8時ごろ、常陸太田市を流れる茂宮川の中で男性の遺体を見つけたということです。

また、遺体が見つかった場所から500メートルほど離れた用水路では男性が使っていた配達用のバイクが見つかったということです。

警察によりますと、茂宮川と用水路は8日夜からの大雨で水量が多かったということで、警察は男性が用水路に転落し、その後、茂宮川に流された可能性もあるとみて詳しい状況を調べています。

男性が死亡 増水した川に流されたか 茨城 北茨城

茨城県などによりますと、9日午前10時ごろ北茨城市中郷町日棚地区を流れる川で20代とみられる若い男性が心肺停止の状態で見つかり、搬送先の病院で死亡が確認されました。

付近の水田には8日夜、車が見つかっていて警察が付近を捜索していました。

北茨城市によりますと、水田の近くを流れる塩田川は8日夜の大雨で増水していて男性は川に流されたおそれがあるということです。

土砂に車が巻き込まれたか 自衛隊に災害派遣要請 茨城 日立

茨城県によりますと9日未明、日立市から崖崩れが起きて、道路に土砂に流れ込み通行中の車が巻き込まれた可能性があるという連絡がありました。

いまのところ、中に取り残されている人がいるかどうかはわからないということですが幅30メートルにわたって土砂が崩れているほか周囲では電柱も倒れているということで、県は自衛隊に災害派遣を要請しました。

ひたちなか市の陸上自衛隊勝田駐屯地から派遣されたおよそ20人が午前7時半すぎから、重機を入れるための準備やドローンを使って崩れた土砂の範囲を調べているということです。