ジャニーズ事務所 社長交代 被害者救済への補償や再発防止策は

ジャニー喜多川氏の性加害の問題でジャニーズ事務所は7日、都内で記者会見し、性加害について認めて謝罪したうえで、藤島ジュリー氏の社長の辞任と、後任に所属タレントの東山紀之氏が就任したことを発表しました。今後、被害者の救済に向けた補償や再発防止策がどのように実行されるのか、注目されます。

4年前に死去したジャニーズ事務所のジャニー喜多川氏による性被害の訴えが相次いでいる問題をめぐり、ジャニーズ事務所は7日、都内で記者会見を開き、藤島ジュリー氏が「ジャニー喜多川に性加害はあったと認識しております。被害者の皆様に心よりおわび申し上げます」と述べ、事務所として性加害を認め、謝罪しました。

そのうえで、ジュリー氏は今月5日をもって社長を辞任し、会見に同席した所属タレントの東山紀之氏が後任の社長に就任したことを発表しました。

東山氏は会見で「長きにわたり、心身ともにつらい思いをした方々に本当に申し訳なく思います。この事実に真摯(しんし)に向き合うため、私は年内をもって表舞台から引退をします。この人生をかけて取り組んでいく覚悟であります」と述べました。

この性加害の問題をめぐって特別チームは報告書で、「被害回復のための適正な補償をする制度を直ちに構築すべき」などと指摘しています。

被害者の救済についてジュリー氏は、責任を持って対応するため、代表取締役には留任することを明らかにしたうえで、被害者に補償を行う方針を示し、「補償が速やかに進めば代表取締役から降りようと考えている」と説明しました。

今後、特別チームの提言にしたがって委員会を作るなど、補償の枠組みを検討していくということで、東山氏は「どのくらい時間がかかるか分からないが、法を超えて救済補償が必要だと思っている」と述べました。

また、再発防止策については、外部からコンプライアンスの専門家を招き、人権侵害を防止する体制を整えたり、ガバナンスを再構築したりするなどの対策を取るとしています。

今後、東山新社長が率いる経営体制で被害者の補償がどのように進み、再発防止策が実行されるのか、注目されます。

企業の間で関係を見直す動きも

ジャニーズ事務所のジャニー喜多川前社長による性加害の問題を受けて、ジャニーズ事務所に所属するタレントを広告に起用している企業の間では、ジャニーズ事務所との関係を見直す動きが出ています。

このうち「日本航空」は、ジャニーズ事務所の所属タレントをテレビCMなどに起用していましたが、ことし3月以降、広告への起用をいったん見送っていました。

会社は7日のジャニーズ事務所の会見で、事務所側がジャニー喜多川氏の性加害について認めたことなどを受けて、会社の人権方針にのっとり、広告への起用見送りを続けるとしています。

また「東京海上日動火災保険」は、先月29日にジャニーズ事務所の外部の専門家による再発防止のための特別チームが調査報告書を公表したことを受けて、ジャニーズ事務所との広告契約の解除を検討しています。