中国 李強首相 建設請け負ったインドネシアの高速鉄道に試乗

ASEAN=東南アジア諸国連合の首脳会議のためにインドネシアを訪問している中国の李強首相は、中国が建設を請け負ったインドネシアの高速鉄道に試乗し、経済協力の成果としてアピールしました。

インドネシアの首都ジャカルタと、およそ140キロ離れたバンドンを結ぶ高速鉄道は、中国が日本と激しい受注競争を行った末、2015年に建設を請け負いました。

6日はASEAN=東南アジア諸国連合の首脳会議のためにジャカルタを訪れている中国の李強首相は建設中の始発駅を視察したあと、隣の駅まで中国製の鉄道車両に試乗し、工事の進捗を確かめました。

この高速鉄道は、両国の間で中国の巨大経済圏構想「一帯一路」の主要プロジェクトに位置づけられていて、中国としても地域の発展に貢献しているとアピールするねらいがあるとみられます。

事業主体の企業によりますと、進捗率は90%を超え、インドネシア政府は10月の開業を目指しています。

同行したインドネシアのルフット海事・投資調整相は「この鉄道を第2の都市のスラバヤまで延伸する可能性についても話し合った」と述べ、中国との協力継続に期待を示しました。

鉄道計画をめぐっては、当初、中国側がインドネシアに国の財政負担が生じない案を提示していたものの、建設費は日本円にして1兆700億円余りにまで膨れ上がっていて、インドネシア側に負担が生じる事態となっています。