ウクライナで日本人指揮者がオペラ公演へ 現地でリハーサル

ロシアによる攻撃が続く中、ウクライナの人たちを音楽で勇気づけようと、国際的に活躍する指揮者の吉田裕史さんが、南部オデーサの歌劇場で、オペラを指揮することになり、6日、現地でリハーサルが行われました。

ウクライナ南部オデーサの歌劇場は、ロシアによる軍事侵攻を受けて一時、公演を休止していましたが、去年6月に再開し、オペラやバレエなどの公演を続けています。

この歌劇場で、おととし首席客演指揮者に就任した吉田裕史さん(54)がシーズン初日の今月10日にオペラを指揮することになり、6日、現地でリハーサルが行われました。

吉田さんはイタリアを拠点に活躍する指揮者で、ロシアによる攻撃が続く中、音楽でウクライナの人たちを勇気づけようと、軍事侵攻が始まって以来初めてウクライナでオペラを指揮することにしたということです。

吉田さんが選んだ演目はイタリアの作曲家、プッチーニのオペラ「ラ・ボエーム」で、19世紀前半のパリで夢や希望を抱く若い芸術家たちの青春のストーリーです。

吉田さんは「このオペラを通して、勇気、希望、そして友情を届けたいと思います。戦争という大変な状況の中でも、音楽は必要とされています」と話しています。