児童館など運営の事業団 職員数を偽って報告 第三者委で調査へ

全国で児童館や学童クラブなどを運営する事業団が、都内の複数の自治体に対し職員の数を多く偽って報告していたことがわかり、このうち新宿区では児童館の運営についての指定管理の取り消しを決めるなど影響が広がっています。事業団は第三者委員会を設置して全国で同様の事案がないか調べるとともに、原因究明や再発防止策の検討を行うとしています。

東京 新宿区の9施設で職員数を多く偽って報告

自治体への不適切な報告があったとして第三者委員会の設置を公表したのは、東京 豊島区の「労働者協同組合ワーカーズコープ・センター事業団」です。

事業団によりますと、ことし6月に外部からの通報を受け、新宿区で受託している学童クラブや児童館の合わせて9か所で職員の人数を多く偽って報告していたことが判明したということです。

原因について事業団の発表では人手不足が背景にあるとしています。

新宿区は契約に不履行があったとして事業団を9か月間の指名停止にしたということです。

ただ、区内の学童クラブの中には事業団に20年近く運営を委託してきたところもあり、区は子どもへの影響を配慮して今年度いっぱいは学童クラブの運営を事業団に継続させることにしたということです。

児童館の運営の指定管理については10月いっぱいで取り消すということです。

東京 足立区や荒川区などでも同様のケース見つかる

また、事業団のその後の調査では足立区、荒川区、板橋区、台東区でも同様のケースが見つかったということで、事業団からの報告を受けた各自治体で確認が行われています。

事業団は全国39の都道府県で児童館や学童クラブなどの管理・運営を受託していて、今後、第三者委員会で全国で同様のケースがないか調べるとともに、原因究明と再発防止策の検討を行うとしています。

事業団は「皆様に多大なるご心配とご迷惑をおかけしておりますことを重ねておわび申し上げます」とコメントしています。

東京 新宿区は事業団を指名停止に

新宿区子ども家庭支援課によりますと、事業団は区内で学童クラブの運営や児童館の管理など、子どもに関する13の事業を受託していました。

しかし、ことし6月に「学童クラブの職員が不足している」と外部からの情報提供があり、新宿区が調査したところ、業務報告書に実際には従事していなかった職員を従事したように記載して報告したり、調査日当日のシフトに名前が記載されている職員の中で、実際には従事していない職員がいたことが確認されたということです。

その後、事業団が運営・管理する6つの学童クラブと3つの児童館の合わせて9か所で、人員配置について虚偽の報告が行われていたことが確認されたということです。

これを受けて新宿区は、事業団を指名停止にしたほか、児童館などの業務の指定を取り消すことにしています。

事業団による運営・管理は、児童館や地域交流館は10月31日まで、学童クラブや放課後子ども広場は3月31日までとし、その後は新たに募集した事業者に運営や管理を引き継ぐ予定だということです。

学童クラブの利用希望は年々増加 一方で人材確保は困難に

こども家庭庁によりますと、放課後児童クラブいわゆる学童クラブをめぐっては利用を希望する人が今年5月1日時点の速報値でおよそ145万人と、共働き家庭の増加を背景に年々増加しています。

学童クラブでは、おおむね40人の子どもに対し2人以上の指導員を配置することになっていますが、常勤かどうかを問わないため非正規雇用が多く、雇用環境が安定しないことから人材確保が困難になっているということです。

また、利用者の増加に伴って職員の負担感の増加も課題とされていて、こども家庭庁は今後、職場環境の改善や人材確保につなげるため、常勤職員を配置した場合に運営費の補助を増やすことなどを検討していくとしています。