金の国内小売価格 最高値更新 円安進行が価格上昇に拍車

国内の金の小売り価格は、6日、1グラム当たり1万105円をつけ、最高値を更新しました。世界経済の先行きに対する不透明感から、比較的安全だとされる金に資産を移す動きが広がる中、円安の進行が金の価格の上昇に拍車をかけています。

大手貴金属会社「田中貴金属工業」が6日に発表した国内の金の小売価格は1グラム当たり1万105円まで値上がりし、最高値を更新しました。

金の価格が上昇しているのは、中国経済の先行きへの懸念などから世界経済が減速するリスクが意識され、比較的安全だとされる金に資産を移す動きが広がっているためです。

さらに、このところ外国為替市場で円安が進んでいることも金の小売価格の上昇に拍車をかけています。

金の先物価格も5日夜に最高値更新

一方、大阪取引所で取り引きされている「来年8月もの」の金の先物価格も、5日夜に一時、1グラム当たり9158円まで上昇し、取り引き時間中の最高値を更新しました。

市場関係者は「世界経済の先行きへの懸念など投資家の不安心理がすぐに解消するとは考えにくく、金の価格は当面、上昇傾向が続きそうだ」と話しています。