ASEAN首脳会議 中国と南シナ海のルール作り議論へ

インドネシアで開かれているASEAN=東南アジア諸国連合の一連の首脳会議は6日、アメリカや中国との議論が行われます。

中国が発表した最新の地図にASEAN加盟国が反発する中、南シナ海での紛争を防ぐルール作りへの影響が注目されます。

インドネシアの首都ジャカルタで開かれているASEANの一連の首脳会議は6日、日本の岸田総理大臣やアメリカのハリス副大統領などとASEAN側との個別の首脳会議が相次いで行われます。

このうち中国の李強首相との会議では、中国とASEANが20年以上、議論を続けている南シナ海での紛争防止のためのルール作りが議論される見込みです。

しかし先週、中国が南シナ海のほぼ全域の管轄権を主張する2023年版の地図を発表したことから、5日の会議ではマレーシアなど加盟国から反発の声があがりました。

ASEANと中国は最近、3年以内のルール策定を目指すガイドラインを承認したばかりで、議長国インドネシアの外務省高官はNHKなどの取材に対し「ルール策定の議論を加速させることが、さらに差し迫ったものになった」と述べ、中国の地図の問題でルール作りを急ぐ必要性がさらに高まったという認識を示しました。

南シナ海情勢はアメリカとASEANとの会議でも議論されるとみられ、ASEANを舞台にした米中の対立や議論の行方が注目されます。

米国防総省 中国発表の最新地図を批判

中国政府が発表した2023年版の最新の地図について、アメリカ国防総省のライダー報道官は5日、記者会見で「国境線を引き直すという意味で新たな常識を作り出そうという試みだ」と述べ、強く批判しました。

その上で「アメリカはこの地域の同盟国や友好国と連携し、これらの国々の主権を守るための能力を支援していく」と強調しました。