【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(6日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる6日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナ、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

ウクライナ 新国防相にウメロフ氏が就任

ウクライナでは事実上、更迭されたレズニコフ前国防相の後任として、国有財産基金のトップを務めていたウメロフ氏が新しい国防相に就任しました。ロシアによる軍事侵攻が続く中での要職の交代で、今後の手腕が問われることになります。

ウクライナの議会は6日、新しい国防相にウメロフ氏を任命するというゼレンスキー大統領の提案を賛成多数で承認しました。

ウメロフ氏は、ロシアが一方的に併合した南部クリミアの少数民族、クリミア・タタール人で、ソビエト時代に多くのクリミア・タタール人が強制移住させられた中央アジアのウズベキスタンで生まれました。

地元メディアによりますと、政治家としてクリミア・タタール人の権利の擁護に取り組んできたということです。

軍事侵攻後は、ロシア側と捕虜交換の交渉にあたり、激戦となった東部マリウポリの製鉄所で戦っていた「アゾフ大隊」の隊員などの解放に貢献したということです。

去年9月から国有財産基金のトップを務めていました。

前任のレズニコフ氏は国防省での汚職疑惑が相次いで伝えられる中、事実上、更迭されたと見られています。

ウメロフ新国防相は汚職疑惑の対応にあたるとともに、ウクライナ軍の反転攻勢のための国防政策を担うことになり、今後の手腕が問われることになります。

米ブリンケン国務長官がウクライナ訪問 クレバ外相と会談

アメリカのブリンケン国務長官は6日、ウクライナの首都キーウを訪れクレバ外相と会談しました。ブリンケン長官は、ウクライナが進めている反転攻勢を成功させるだけでなく、長期的な支援についても進めたい考えを示しました。

アメリカのブリンケン国務長官は6日、ウクライナの首都キーウに到着し、クレバ外相と会談しました。

会談を前にブリンケン長官は「ウクライナに対する継続的かつ断固とした支援を示すためにここにいる」と述べウクライナが進めている反転攻勢を成功させるだけでなく、ロシアによる侵攻が2度と起きないよう長期的な支援についても進めたい考えを示しました。

これに対してクレバ外相は「ブリンケン長官をここウクライナで、特に外務省で迎えるのは、とてもうれしい。実のある協議を楽しみにしている」と述べました。

ブリンケン長官は、2日間の滞在期間中、ゼレンスキー大統領とも会談し、最新の戦況などについて意見を交わすとみられます。

ウクライナ軍による反転攻勢を巡っては、アメリカの一部メディアがアメリカ当局者の話として、来年も同じような規模の支援を継続することは難しいという見方が出ていると伝えています。

こうした中、ブリンケン長官は、一連の会談で支援を巡るアメリカ政府の立場を示すとみられ、ロイター通信などは、10億ドル以上、日本円にして1400億円を超える規模の新たな支援を発表する予定だと伝えています。

ウクライナ東部ドネツク州でロシア軍の攻撃 16人死亡

ウクライナの東部ドネツク州の都市で6日、ロシア軍による攻撃が市場付近を直撃し、子ども1人を含む16人が死亡し20人以上がケガをしました。

ゼレンスキー大統領は6日、SNSで東部ドネツク州の激戦地、バフムトから20キロ余り西にある都市、コスチャンチニウカの市場付近でロシア軍による攻撃があり16人が死亡したと明らかにしました。

ゼレンスキー大統領は普通の市民や商店が被害を受けたとした上で「多くのけが人がいる。残念ながら死傷者の数は増えるかもしれない。悪のロシアに一刻も早く勝たなければならない」と強調しました。

ゼレンスキー大統領が投稿した動画では商店が並ぶ通りで何かが飛んでくるような音の後に突然、爆発が起き、煙と火の手があがる様子が確認できます。

またシュミハリ首相はSNSで死亡した16人のうち1人は子どもで、少なくとも20人がケガをしたとしています。

ウクライナの内務省は火災が300平方メートルに広がり、およそ30の商店が被害を受けたと明らかにし警察などががれきの除去や救助活動にあたっているとしています。

米国務長官がキーウ到着 ゼレンスキー大統領と会談へ

ロイター通信は6日、アメリカ国務省高官の話として、ブリンケン国務長官がウクライナの首都キーウに到着したと伝えました。ロシアによるウクライナ侵攻後、ブリンケン長官がキーウを訪れるのは3回目で、今回は2日間の日程での訪問になるということです。

期間中、ブリンケン長官はゼレンスキー大統領やクレバ外相と会談する予定で、ウクライナに対し10億ドル以上、日本円にして1400億円を超える規模の新たな支援を発表する予定だと報じています。

アメリカとしては、G20=主要20か国の首脳会議が今月9日から行われるのを前にブリンケン長官がキーウを訪れることで、改めて連帯を示す狙いがあるとみられます。

ロシア国防相 “南部前線に精鋭部隊を展開”

ロシアのショイグ国防相は5日、国防省で行った会議で「ウクライナ軍はどの前線でも目標を達成できていない。敵は6万6000人の兵士と7600台の装備品を失った」と主張し、ウクライナ側に大きな打撃を与えたと強調しました。

その上で「現在、最も緊迫しているのがザポリージャ州の前線だ」と述べ、ロシア軍の精鋭部隊とされる「第76親衛空てい師団」などの部隊を展開させていると明らかにしました。

南部では激しい戦闘が続いているものとみられ、戦況の行方が焦点となっています。

ゼレンスキー大統領 反転攻勢続ける地域を訪問

ウクライナ大統領府は4日、ゼレンスキー大統領が東部のドネツク州と南部のザポリージャ州を訪問したと発表しました。

5日に公開された動画では、ゼレンスキー大統領が陸軍のシルスキー司令官とともに東部の激戦地、バフムト近くの前線を訪れ、兵士たちに対し「国民を代表してあなたがたの国を守る力に心から感謝する」と激励しました。

これに先立ち、マリャル国防次官は4日、SNSで、バフムト周辺でこれまでに47平方キロメートルを奪還したほか、ロシア軍の第1防衛線を突破したとするザポリージャ州では主要都市のメリトポリ方面で攻勢を続け、ロシア軍が重大な被害を受けているとしています。

ダム決壊から3か月 少なくとも32人死亡

ウクライナ南部のカホウカ水力発電所のダムが決壊して大規模な洪水が起きてから、6日で3か月になります。

5日、首都キーウではウクライナ政府が記者会見を開き、国防省の担当者は「これはロシアの最初の犯罪ではない」と述べ、ダムの決壊はロシアの攻撃によるものだと改めて非難しました。

これまでの調査で、洪水による浸水面積は東京23区の面積に匹敵する600平方キロメートル以上におよび、少なくとも32人が死亡し、いまだに39人の行方が分かっていないということです。

洪水によって流された地雷など90個以上を除去したということですが、すべてを除去するにはかなりの時間がかかるとしています。

一方で、浸水した地域のおよそ7割をロシアが占領しているため、詳しい被害の実態を把握することは難しく、実際の被害はさらに大きいとみられるということです。

国防省の担当者は「最も重要なのは戦闘の終結だ」と話し、被害の実態を把握するためにも、ウクライナの反転攻勢を各国が支援してほしいと訴えました。