ASEAN首脳会議開幕 中国の新しい地図めぐり加盟国から反発の声

ASEAN=東南アジア諸国連合の首脳会議が5日開幕し、中国が先週発表した新しい地図をめぐって、南シナ海で中国と領有権問題を抱える加盟国から反発の声があがりました。

ASEANの首脳会議は5日、インドネシアの首都ジャカルタで開幕しました。

議長を務めるジョコ大統領は会議の冒頭、「ASEANはいかなる勢力の代理にもならず、平和と繁栄のためには誰とも協力する。ASEANを対立の場にするのではなく、協力拡大の場にしたい」と呼びかけ、インド太平洋地域で激しくなるアメリカや中国など大国の競争とは距離を置く姿勢を強調しました。

一方、今回の会議を前に、中国が先週発表した2023年版の最新地図をめぐっては、南シナ海のほぼ全域を中国が管轄権を持つ海域として線で囲っていることに領有権を争う加盟国から反発の声があがっていました。

このため5日の会議でも、マレーシアのアンワル首相が中国側の一方的な主張で認められないとする立場を明確にしたうえで「南シナ海は平和的、合理的に話し合われるべきだ」と述べ、強い反発の声をあげました。

また5日の会議では、3年後にASEANの議長国となる予定だったミャンマーについて、クーデター後、混乱が続いていることから、代わりにフィリピンが議長国となる見通しであることが確認されました。

ミャンマー情勢をめぐっては、ASEANの特使による軍と民主派勢力などとの対話の仲介など、今回の会議で事態の打開に向けた道筋をつけられるかどうかが注目されます。