ロシアとトルコ首脳会談 ウクライナ産農産物輸出再開が焦点

ロシアのプーチン大統領とトルコのエルドアン大統領の会談が始まり、ロシアが合意の履行を停止したウクライナ産の農産物の輸出について、プーチン大統領は「話し合うことには前向きだ」と述べました。首脳会談で、ウクライナ産の農産物の輸出再開に道が開かれるかが焦点です。

ウクライナは世界有数の穀物の輸出国で、軍事侵攻後もトルコや国連の仲介で輸出再開が合意されましたが、ことし7月にロシアが合意の履行を停止し、食料危機への懸念が世界に広がっています。

こうした中、日本時間の4日午後7時すぎにロシア南部のソチでプーチン大統領と合意の仲介役を務めたトルコのエルドアン大統領の会談が始まりました。

会談の冒頭、プーチン大統領は「あなたが農産物の合意について提起することもわかっている。この問題で話し合うことには前向きだ」と述べ、エルドアン大統領と話し合う考えを示しました。

これに対し、エルドアン大統領は「結果を待っている人たちがいる。アフリカの国々にとって重要な一歩を進められるだろう」と述べました。

これに先立ち、国連のグテーレス事務総長は先月31日の記者会見で、ロシア側に輸出再開に向けた新たな提案を伝えたことを明らかにし、トルコ側も期待感を示しています。

ただ新たな提案の詳細は明らかにされておらず、ロシアのラブロフ外相はロシア産の農産物なども滞りなく輸出されることが前提になると重ねて強調しています。

また首脳会談に先立ち、ロシア軍は4日、ウクライナ産の農産物の積み出し拠点があるウクライナ南部オデーサ州で2夜つづけて無人機による攻撃を行いました。

ロシア側が依然として強硬な姿勢を取り続ける中、仲介役のエルドアン大統領によるプーチン大統領への直接の働きかけで、ウクライナ産の農産物の輸出再開に道が開かれるかが焦点です。