福島県 内堀知事 福島第一原発を視察 処理水放出開始以降初

福島県の内堀知事は、東京電力福島第一原子力発電所にたまる処理水の海への放出が始まって以降、初めてとなる第一原発の視察を行い、処理水を海水で薄める設備や緊急時に放出を止める装置の仕組みなどを現場で確認しました。

内堀知事は4日、先月24日に処理水の放出が始まった後としては、初めて福島第一原発を訪れました。

東京電力の小早川智明社長と面会した内堀知事は、県民は放出に伴う風評への懸念を抱いているなどとしたうえで「想定外の事態があってはならず万全な対策を徹底的に講じるよう求める」と述べました。

小早川社長は「現在、安全に放出を進めているが知事のことばを重く受け止め、最大限の緊張感のもと取り組みを進める」と応えていました。

その後、内堀知事は放出に関係する設備全体を見渡せる高台に上がり、処理水を大量の海水で薄める工程や、処理水を薄める海水そのものが汚染されるのを防ぐ現場の工法などを確認していました。

また、トラブルが発生した際に稼働する「緊急遮断弁」の前で、流量の異変やポンプの不具合を検知して直ちに放出を止める仕組みについて、説明を受けていました。

視察を終えた内堀知事は、放出が30年程度に及ぶと見込まれていることを踏まえ「これからが長い戦いになる。緊張感を持って取り組むよう東京電力に改めて強く求めた」と話していました。