処理水放出めぐる迷惑電話 東京都庁で中国語の自動音声で対応

東京電力福島第一原発の処理水の放出をめぐる、中国からとみられる迷惑電話に対し、東京都は安全性を伝える中国語のメッセージを自動音声で流し対応しています。

福島第一原発にたまる処理水の海への放出が始まった先月24日以降、各地の公共施設や事業者などに中国の国番号「86」から始まる国際電話の嫌がらせが相次ぎ、都庁にも先月末までに3万4000件余りかかってきたということです。

都はこうした電話への対策として、今月1日から、処理水の安全性などを伝えるメッセージを自動音声で流しています。

音声は中国語で「処理水の海洋放出は、国際基準および国際慣行にのっとり、トリチウム年間処分量を近隣諸国と比べても低い水準にした上で、安全性に万全を期した上で実施されています」などと伝える内容となっています。

都は都庁の代表番号に、中国の国番号からの電話で、交換先を尋ねる質問に答えないなど、不自然な点がある場合はこの自動音声に切り替えていて、1日は自動音声を導入してから1時間45分の間に、198件の電話に自動音声で対応したということです。

都の担当者は「多くの電話が来たが、誤った認識で電話をかけてくるケースもあり正しい情報を正確に伝える必要があるため、こうした対応をとることにした」としています。