紀伊半島豪雨から12年 遺族が犠牲者を追悼 和歌山 那智勝浦町

死者・行方不明者が88人にのぼった紀伊半島豪雨から4日で12年です。29人が犠牲になった和歌山県那智勝浦町では、災害が発生した午前1時ごろにあわせて、遺族が慰霊碑を訪れて犠牲者を悼みました。

平成23年9月4日の紀伊半島豪雨では、台風の影響で川の氾濫や土砂災害が相次ぎ、和歌山、奈良、三重の3県で死者・行方不明者があわせて88人にのぼりました。12年となる4日、最も多い29人が犠牲になった和歌山県那智勝浦町では、災害が発生した午前1時ごろにあわせて、遺族や地元の住民が慰霊碑に集まりました。

慰霊碑の前には犠牲者の数と同じ29のLEDライトの明かりがともされ、遺族たちが静かに手を合わせて犠牲者に祈りをささげました。

父親とおいを亡くした遺族会代表の岩渕三千生さんは「もし、おいが生きていたらどんな大人になっていたのかと考えます。9月4日という日にこの水害を思い出してもらい、多くの人に防災の意識を持ってほしい」と話していました。

幼なじみを亡くした楠本小太朗さん(20)は「災害がなければ今も会って話ができるはずでした。きょうは20歳になった自分の顔を見せようと思い、手を合わせに来ました」と話していました。