中国「抗日戦争勝利記念日」処理水放出へ抗議活動なし 大使館

中国政府が定めた「抗日戦争勝利記念日」の3日、北京の日本大使館の周辺では、福島第一原発にたまる処理水の海洋放出に反対するデモなどが警戒されましたが、抗議活動はなかったということです。

中国政府は第2次世界大戦で日本が降伏文書に署名した翌日の9月3日を「抗日戦争勝利記念日」と定めています。

北京の日本大使館の周辺では、東京電力福島第一原発にたまる処理水の海洋放出に反対するデモなどを警戒して大勢の警察官が動員されましたが、大使館によりますと抗議活動はなかったということです。また、国営の中国中央テレビは、3日中国で世論統制などを担当する共産党中央宣伝部のトップを務める李書磊部長などが記念の座談会に出席し、抗日戦争に勝利した意義を話し合ったと伝えた一方で、処理水の海洋放出については触れませんでした。

ただ、満州事変の発端となった柳条湖事件が起きた9月18日などは反日感情が高まりやすく、処理水の海洋放出を批判する意見も依然としてインターネット上に数多く投稿されていることから、日本大使館は現地の日本人に対して注意を呼びかけています。