“脱炭素” 化学メーカーの取り組み 原料に廃プラスチックも

大手化学メーカーでは、製品の原料に廃プラスチックを活用する取り組みが始まっています。脱炭素の世界的な流れを受けて、国内の生産設備の見直しを迫られることから、今後、業界再編が進む可能性も指摘されています。

「三菱ケミカル」は、茨城県にある工場で、原油から作るナフサを使わずに、廃プラスチックを原料に、化学製品を生産するプラントを今年度中に完成させる計画です。

この事業では、石油元売り大手の「ENEOS」と共同で、年間2万トンの廃プラスチックを油に戻して生産し、温室効果ガスの削減につなげます。

三菱ケミカル茨城事業所の加藤大雄事業所長は「設備投資など、負担は大きくなるが、新しい付加価値を提供したい」と話しています。

このほか、脱炭素の取り組みでは、「住友化学」と「三井化学」「丸善石油化学」が、千葉県にある各社のプラントで、バイオマスを使った原料などを使う検討を進めています。

化学メーカーの間では、化学製品の需要の減少で、すでに国内の生産設備が過剰となっています。

さらに、脱炭素の世界的な流れを受けて、生産設備の見直しを迫られることから、今後、業界再編が進む可能性も指摘されています。