厚労省元次官の村木さん 今後の地域のキーワードは“つなぐ”

高齢化が進み医療や介護の働き手不足が課題となるなか、今後の地域のあり方を考える講演会が川崎市で開かれ、厚生労働省の元事務次官の村木厚子さんが、住民や企業も含めて地域でつながり皆で支えあう考えを持つことの大切さを訴えました。

講演会は、日本地域看護学会が主催したもので、研究者や地域の住民などおよそ150人が参加し、厚生労働省の元事務次官で津田塾大学の村木厚子客員教授が登壇しました。

村木さんは「少子高齢化で高齢者数が増える一方で、支える働き手は減り、人手を必要とする医療や介護の分野は、より厳しい状況になると考えられる。今後社会保障を維持するには、医療・介護の専門職の長時間労働を抑制して働き方改革をしないといけない。働く人を守っていくという発想をもつことが大事だ」と訴えました。

その上で、今後高齢者の暮らしは住み慣れた場所で暮らしながら介護サービスを受け、たまに入院する「時々入院ほぼ在宅」になることが考えられるとして「キーワードは“つなぐ”こと。医療介護の専門職だけでなく、市民や企業も一緒になって高齢者の暮らしを見守り支える仕組みを作る。色んな人が助ける状況を作り、支え手を増やす必要がある」と述べました。

講演を聞いた40代の男性は「今後社会でつながりや助け合いが重要になるということがよくわかった。隣にいる人、近くの人に声をかけるなど小さなことから実践していきたい」と話していました。