石川 そうめんで集団食中毒 湧き水からカンピロバクター検出

先月、石川県津幡町にある飲食店で、そうめんなどを食べた客が下痢や腹痛などの症状を訴え、県の調査で店で流しそうめんなどに利用する湧き水から、食中毒の原因となる「カンピロバクター」が検出されていたことがわかりました。

石川県津幡町にある飲食店「大滝観光流しそうめん」では先月、食事をした利用客これまでに93人が下痢や腹痛などの症状を訴えていて、県は、店の料理が原因の食中毒と断定して3日間の営業停止処分にしました。

県が調査を進めたところ、店で流しそうめんなどに利用する湧き水から、食中毒の原因となる「カンピロバクター」が検出されたということです。

県によりますと「カンピロバクター」の潜伏期間は最大で1週間で、激しい下痢や発熱、おう吐などの症状を引き起こしますが、全員、症状は改善しているということです。

店は夏場のみの営業で、店のホームページによりますと、ことし7月の大雨被害の影響で、年に1回以上行うことになっている水質検査をことしは営業開始前に行わなかったということです。

飲食店を利用した人など、およそ500人から相談が寄せられているということで、県はさらに調査を進めるとともに、不安を感じる場合には、最寄りの保健所などに相談してほしいと呼びかけています。

カンピロバクターとは

「カンピロバクター」は、多くの野生生物やニワトリや牛などの家畜が保菌していて、加熱が不十分だった鶏肉を食べた場合などに感染するということです。

また、厚生労働省によりますと、湧き水や簡易的な水道水を介して感染した事例も発生しているということです。

感染すると下痢や腹痛、発熱などの症状が現れ、多くの患者は1週間ほどで治癒するということですが、乳幼児や高齢者などでは重症化する危険性があります。

厚生労働省によりますと、去年1年間で、全国では822人が感染したということです。