広島市 土砂災害の教訓伝える「豪雨災害伝承館」開館

9月1日は「防災の日」です。9年前、広島市で77人が犠牲となった土砂災害の教訓を伝えようと、安佐南区の被災地に「豪雨災害伝承館」が開館しました。

9年前、平成26年8月20日に起きた広島市の土砂災害では、集中的な豪雨によって土石流や崖崩れが相次いで発生し、災害関連死を含めて77人が亡くなりました。

この災害の教訓を広く伝えようと、被災地の1つ、広島市安佐南区の八木地区では、9月1日「広島市豪雨災害伝承館」が開館し、式典が行われました。

この中で松井市長は「今後とも被災者の教訓を伝承する活動をしっかりと支援していく。防災教育などを通して被災者の教訓や課題を次世代に伝承し、地域の防災力の向上に努めていく」と述べました。

伝承館は2階建てで、当時の被災の状況を伝える写真や映像を展示したエリアのほか、防災について学ぶ研修室などが設けられています。

展示エリアでは、当時の土石流を再現したCG映像を見て土砂や岩などが急激な速さで迫ってくる状況を体感することができます。

また、隣接する公園には「かまど」の機能を持ったベンチが設置されるなど、災害時の地域の避難場所の機能も備えているということです。

自身も被災者で、広島市豪雨災害伝承館の高岡正文館長は「災害級の自然現象が起きても命を守って生き延びることをテーマに、次の世代につないでいく活動をしていきたい」と話していました。