処理水放出 韓国世論調査 “海など汚染が心配”1000人余の75%

東京電力福島第一原子力発電所にたまる処理水の海への放出について、韓国で行われた世論調査で、海や水産物の汚染が心配だと答えた人が75%に上り、国民の懸念の根強さを裏付ける形となりました。

韓国の世論調査機関・韓国ギャラップが8月31日までの3日間、1000人余りを対象に行った世論調査によりますと、福島第一原発にたまる処理水を薄めて海に放出する措置について、
▽海や水産物の汚染が「心配だ」と答えた人は75%、「心配ではない」が22%となりました。

また、放出を受けて、
▽水産物を食べるのに「抵抗がある」と答えた人が60%に上りました。

さらに、
▽処理水をめぐって「危険性が誇張されている」と答えた人が35%となる一方、「誇張されていない」は54%でした。

韓国政府は、「計画どおり放出されれば過度に心配する必要はない」と国民に呼びかけていて、大統領府の食堂でも今週、風評被害対策として韓国産の刺身や焼き魚などを毎日提供するなど、不安払拭(ふっしょく)に向けた取り組みに力を入れています。

一方、最大野党「共に民主党」のイ・ジェミョン(李在明)代表は、「韓国政府は『核廃水』を投棄するテロの共犯になった」などと批判を強め、31日からは政権への抗議として、無期限の断食を行っていて、来年行われる総選挙も見据え、政府・与党と野党の間で処理水放出をめぐる政治的対立は激しさを増しています。