イギリス ウォレス国防相が辞任 ウクライナへの軍事支援を主導

イギリスで4年余りにわたって国防相を務めたウォレス国防相が31日、辞任しました。ウクライナへの軍事支援などを主導しましたが、辞任の理由について「家族との時間を犠牲にした」としています。

53歳のウォレス氏は陸軍の出身で、2005年に国会議員に初当選したあと、2019年、当時のジョンソン首相から国防相に任命され、3人の首相のもとで4年余りにわたって国防相を務めてきました。

去年2月以降は、ロシアの侵攻を受けるウクライナへの戦車や射程の長い巡航ミサイルの供与に各国の中で初めて踏み切ったほか、イギリス国内でウクライナ兵の訓練を行うなどの軍事支援を主導してきました。

また、国際情勢が今後さらに不安定になるとして、国防費を増やす必要性を訴え続け、政権内からはNATO=北大西洋条約機構の次の事務総長に推す声も上がっていました。

スナク首相に宛てた辞表でウォレス氏は「私は国のためにみずからをささげてきた。しかしそれは、家族との時間を犠牲にすることで成り立っていた」とし、激務で家族との時間が十分とれなかったことが辞任の理由だとしました。

ウォレス氏の後任の国防相にはエネルギー安全保障相だったシャップス氏が任命され、ウクライナへの全面的な支援を続ける方針を表明しました。