防災の日 首都直下地震を想定して政府の総合防災訓練

9月1日は「防災の日」です。ことしの政府の総合防災訓練は、首都直下地震が発生し関東南部を中心に激しい揺れで甚大な被害が出たとの想定で政府による初動対応の手順などについて確認しました。

ことしの政府の総合防災訓練は午前7時すぎに東京23区を震源とするマグニチュード7.3の大地震が発生し、東京23区で震度7、関東南部で震度6強の激しい揺れが観測されたという想定で行われました。

訓練では閣僚が総理大臣官邸まで歩いて集まったあと、午前8時半ごろから訓練のための「緊急災害対策本部」を設置し、被害や対応の状況について確認しました。

また、大きな被害が出ている神奈川県相模原市との間でテレビ会議を行い、被害状況を共有して必要な支援についての報告を受けました。

【訓練】岸田首相 記者会見で国民に呼びかけ

岸田総理大臣は午前9時から訓練のための記者会見を行いました。

この中で岸田総理大臣は「これまでに多数の人的被害や建物倒壊、火災など、非常に大規模な被害が確認されている状況だ」と述べ、「災害緊急事態」を布告するとともにみずからを本部長とする「緊急災害対策本部」を設置したと説明しました。

その上で現地に調査団を派遣し、被災自治体と緊密に連携しながらライフラインの復旧や物資の確保、医療の提供、それに避難所の運営などといった被災者支援に関係機関が一体となって取り組む考えを示しました。

また国民に対しては、地震や避難に関する情報に留意して命を守る行動をとるのに加え、混乱を最小限に抑えるため食料の買いだめなどは控え、落ち着いて行動するよう呼びかけました。

岸田首相 首都直下地震想定の防災訓練視察

このあと、岸田総理大臣は首都直下地震を想定して神奈川県相模原市で行われた防災訓練を視察しました。

この防災訓練は、マグニチュード7クラスの首都直下地震が発生したという想定で東京都や相模原市など首都圏の9つの自治体が合同でJR相模原駅近くの会場で行い、岸田総理大臣はまず、倒壊した建物の下敷きになった人を救助する訓練を視察しました。

このあと、担当者から説明を受けながら簡易トイレの設営を行ったほか、火災を想定してバケツリレーで火を消す訓練に参加しました。

訓練の閉会式で岸田総理大臣は「大規模災害のリスクに直面する現代の私たちは、関東大震災の記憶を風化させることなく、創意工夫を凝らして災害に強い国づくりに取り組んでいかなければならない」と述べました。

その上で「関東大震災100年を契機に、改めてそれぞれの立場で防災について考え、災害に備える機会としてほしい」と呼びかけました。