歌舞伎町ビル火災 未解決のまま22年 遺族が犠牲者を悼む

44人が亡くなった東京・歌舞伎町のビル火災から1日で22年となりました。31日夜、ビルがあった場所を遺族が訪れ、花を手向けて犠牲者を悼みました。

平成13年9月1日の未明、東京・新宿区歌舞伎町にあった雑居ビルで火が出て燃え広がり、3階のマージャンゲーム店や4階の飲食店にいた従業員や客などあわせて44人が亡くなりました。警視庁は何者かが火をつけた疑いがあるとみて今も捜査を続けていますが、未解決のままです。

火災から1日で22年となるのを前に、31日夜、当時、ビルがあった場所を遺族や支援者などが訪れました。

飲食店で働いていた植田愛子さん(当時26)と妹の彩子さん(当時22)の娘2人を亡くした植田安子さん(71)は「何年たっても当時の記憶が戻ってきて、夜も眠ることができないほどつらい時がある。それでも、いつまで来られるかわからないが、来られるかぎりは、娘2人のことを思いながら、好きだった色の花束を供えに来たい」と話していました。

この火災では、物が置かれていてビルの防火扉が正常に閉まらず、多数の犠牲者を出す原因となったことから、消防法が改正され、消防の立ち入り検査の権限の拡大や悪質な違反をした企業への罰則が強化されました。