“アジアのノーベル賞”マグサイサイ賞 インドの医師など4人に

「アジアのノーベル賞」とも呼ばれるマグサイサイ賞に、ことしは、がん患者のための病院を運営するインドの医師など、4か国から4人が選ばれました。

「アジアのノーベル賞」とも呼ばれるマグサイサイ賞は、毎年、アジアの平和や発展に尽くした個人や団体に贈られ、これまで、貧困や飢餓に苦しむ人たちの救済に生涯をささげたマザー・テレサや、アフガニスタンで人道支援などに携わった医師の中村哲さんらが受賞しています。

賞を主催するフィリピンの財団は31日、ことしの受賞者を発表し、▽インドの医師、▽フィリピンの和平交渉の元団長、▽東ティモールの農業運動家、それに▽バングラデシュのNPO団体代表の、合わせて4人が選ばれました。

このうち、インドのラヴィ・カンナン医師は、貧困のため適切な治療を受けられないがん患者を救おうと、およそ15年にわたって無料で患者を治療する病院を運営してきた功績が評価されました。

カンナン医師はNHKの取材に対して、「誰もが尊重される必要があり、誰もに尊厳がある。貧しい人たちに大きな変化をもたらす力が私たち人間には備わっている」と話しました。

また、フィリピン南部のミンダナオ島の紛争で政府側の交渉団長を務めた、ミリアム・コロネル・フェレール氏は、2014年にイスラム武装組織と和平合意を結ぶなど、平和構築での女性の先駆者として評価されました。

授賞式はことし11月にフィリピンの首都マニラで行われます。