浦和レッズ サポーター18人を入場禁止処分 天皇杯で暴力行為

日本サッカー協会は、8月に行われた天皇杯4回戦で、浦和レッズのサポーターに暴力行為などがあったとして合わせて18人を無期限の入場禁止などの処分にしました。

記事後半では、今回、浦和レッズのサポーターが処分された問題の経緯を詳しくまとめています。

浦和レッズサポーター18人を無期限の入場禁止などの処分に

8月2日、名古屋市で行われた天皇杯4回戦の名古屋グランパスとレッズの試合で、レッズのサポーターおよそ100人がグラウンドに入ったり、両チームの応援場所を仕切る柵を揺らしたりする騒動が起きました。

これを受けて協会は31日、オンラインで臨時の理事会を開き、協会の規定で禁止されている暴力行為や立ち入り禁止エリアへの侵入などが確認されたとして
▽サポーター17人を無期限の入場禁止
▽サポーター1人を5試合の入場禁止としました。

協会によりますと、無期限の入場禁止となった17人については、協会が主催する試合のほか、JリーグやWEリーグなどの試合も入場できないということです。

協会の規定には
▽選手やスタッフ、サポーターなどに対する暴力行為
▽人種や性別、宗教などに対する侮辱的な言動
▽立ち入り禁止区域への立ち入りといった29項目にわたる禁止行為が定められていて、
処分の人数は今後、調査によって、さらに増える可能性があるということです。

これとは別にクラブとしてのレッズに対しての処分は、9月中旬にも規律委員会を開いて決めるとしています。

日本サッカー協会 田嶋会長「痛恨の極み 再発防止策を講じる」

日本サッカー協会の田嶋幸三会長は「このような事案が発生したことは痛恨の極みであり、日本サッカー界として、じくじたる思いを抱いている。今後、二度と起こらないよう各リーグや連盟などと連携して再発防止策を講じるとともに運営・警備体制を強化する」などとコメントしています。

レッズが追加処分 17人を無期限の入場禁止に

日本サッカー協会が浦和レッズのサポーター18人を処分したことを受けて、レッズはクラブとして追加の処分を発表しました。

それによりますと、暴力行為や立ち入り禁止エリアへの侵入などが確認されたとして協会が無期限の入場禁止処分としたサポーター17人について国内外問わずレッズが出場するすべての試合で無期限の入場禁止とするとしています。

レッズは、再発防止に向けて違反行為に対する新たな処分基準を策定するとしたうえで「引き続き当事者として果たすべき責任と正面から向き合い、誠実に対応していく」としています。

《【詳しく】問題の経緯》

浦和レッズのサポーターが処分された問題の経緯をまとめました。

◆8月2日 天皇杯で騒動

暴力行為があったのは、8月2日の夜、名古屋市で行われた天皇杯4回戦の名古屋グランパスとの試合でした。レッズがグランパスに0対3で敗れると、試合後、レッズのサポーター100人ほどがグラウンドに入り、両チームの応援場所を仕切る柵を揺らすなどして騒動となりました。

◆8月3日 レッズは77人の処分発表

翌日、レッズは試合を主催した日本サッカー協会などと事実関係を確認し、違反行為があったとしてサポーター77人の処分を発表しました。

▽立ち入り禁止エリアへ侵入したサポーターを統括するリーダー1人をレッズが出場する16試合の入場禁止
▽侵入を主導したサポーター31人を同じく9試合の入場禁止としたほか
▽立ち入り禁止エリアに侵入したサポーター45人を厳重注意としました。

◆8月5日 レッズが会見 謝罪も “暴力行為なかった”

5日にはレッズの田口誠社長と須藤伸樹マーケティング本部長がオンラインで会見し、一連の騒動について謝罪しました。

一方で「当日の事実確認時点では暴力行為はなかった。今後出てくれば、別の処分をしなければならない」と述べていました。

◆8月16日 一転 “暴力行為あった”と発表

そして試合から2週間がたった16日。レッズは日本サッカー協会が入手した映像などをもとに確認を行った結果を発表。一転「暴力行為があった」と明らかにしました。

具体的には
▽警備員を押し倒したり、相手のサポーターの胸倉をつかんだりする暴力行為が12件
▽相手のサポーターに罵声を浴びせるなどの威嚇行為が6件
▽ペットボトルの投げ込みや相手ゴールの裏に侵入するといった危険行為が8件
▽柵を壊すなどの破壊行為が12件
▽横断幕を破損させようとした違反行為が2件あったとしました。

この時点でレッズはこうした行為を行ったのは25人程度だとしていました。