“銃弾盗んだ疑いで取り調べ うつ病に” 奈良県に賠償命じる

奈良県の警察署で、20代の警察官が、拳銃の実弾を盗んだ事実はないのに疑いをかけられて取り調べを受け、うつ病を発症したとして、県に賠償を求めた裁判の判決で、奈良地方裁判所は「取り調べは心理的に追い詰めて自供を迫るなど、限度を超えた違法なものだった」として、県におよそ290万円の賠償を命じました。

奈良県の奈良西警察署は去年1月、拳銃の実弾5発を紛失したと発表しましたが、その後の調査で、県警察本部の担当者が弾を配分する際に数を誤っただけで、紛失の事実はなかったことが明らかになっています。

これについて、当時警察署に勤務していた20代の男性警察官は、実弾を盗んだ疑いをかけられて取り調べを受け、うつ病を発症したなどとして、県に対しおよそ820万円の賠償を求める訴えを起こしました。

31日の判決で、奈良地方裁判所の寺本佳子裁判長は、警察の取り調べについて「連日、長時間にわたり心理的に追い詰めて自供を迫るなど、限度を超えた違法なものだった」としたうえで、「みずからの職場で疑われること自体、多大な精神的負担を伴うが、根拠が薄いのに犯人だと断定され繰り返し自供を迫られた結果、うつ病を発症した」と指摘しました。

一方、警察からすでに謝罪を受けているなどとして、県に対して、およそ290万円の賠償を命じました。

原告の代理人「ある程度踏み込んだ判断をしたと評価」

判決のあと、原告の代理人の弁護士は奈良市内で記者会見を開き、「警察の旧態依然とした自白偏重の取り調べ方法について、判決はある程度、踏み込んだ判断をしたと評価できる」と話していました。

奈良県警「真摯に受け止め 再発防止に努める」

判決について、奈良県警察本部監察課の奥村直樹首席監察官は「判決を真摯(しんし)に受け止め再発防止に努めてまいります」とコメントしています。