入管施設で死亡したウィシュマさんの遺族 意見書で起訴求める

名古屋出入国在留管理局の施設に収容されていたスリランカ人女性が死亡した問題で、不起訴になった入管の当時の局長などについて、検察審査会の議決を受けて再捜査している名古屋地方検察庁に対し、女性の遺族が30日、意見書を提出し、業務上過失致死の罪で起訴するよう求めました。

おととし3月、名古屋出入国在留管理局の施設で収容中に体調不良を訴えて亡くなったスリランカ人の女性、ウィシュマ・サンダマリさん(当時33)の遺族は、入管の当時の局長などを殺人の疑いで告訴しましたが、名古屋地方検察庁が不起訴にしたため、検察審査会に審査を申し立てました。

これについて、名古屋第一検察審査会は去年12月、殺人罪などについては成立しないと判断した一方で「業務上過失致死罪が成立するかどうか再検討すべきで、不起訴は不当だ」と議決しました。

遺族は30日、検察審査会の議決を受け再捜査している名古屋地方検察庁を訪れ「入管の当時の局長などは病状について具体的に認識していて、衰弱したウィシュマさんを緊急搬送しなければ死亡することは、予見可能だった」などとする意見書を提出し、業務上過失致死の罪で起訴するよう求めました。

会見を行ったウィシュマさんの妹のポールニマさんは「責任がある幹部や担当職員がなんの罪にも問われないということは理解ができません。私たち遺族の声を必ず受け止めてほしい」と話していました。